コシダカ、VR用いたカラオケサービス「メタカラ」本格展開 全国6店舗へ

2023年5月5日 15:17

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大規模ライブ会場のイメージ(画像:コシダカホールディングスの発表資料より)

大規模ライブ会場のイメージ(画像:コシダカホールディングスの発表資料より)[写真拡大]

  • 月面ステージのイメージ(画像:コシダカホールディングスの発表資料より)
  • 第三者視点のイメージ(画像:コシダカホールディングスの発表資料より)
  • メタカラのイメージ(画像:コシダカホールディングスの発表資料より)

 コシダカホールディングスは2日、VR技術を用いたカラオケサービス「メタカラ」を本格展開すると発表した。メタカラは、カラオケまねきねこなどを運営する子会社のコシダカと、XRソリューションを展開するタイムルーパー(Timelooper)が共同で開発。1店舗でのトライアルを経て、5月8日より全国6店舗で提供を開始するという。

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 メタカラは、歌う人がVRゴーグルを装着し、アバターとなって仮想空間のステージで歌えるサービスだ。アバターやバーチャルステージは複数種類用意されており、専用タブレットで選択できる。

 ステージには、何万人も収容できるような大規模ライブ会場や月面ステージなどがあり、その世界に没入しながらアーティスト気分で歌えるのが特徴だ。歌唱曲の制限もない。歌詞はバーチャルステージ内のディスプレイに表示される。

 VRゴーグルは、カラオケルームにあらかじめセットされているため、手ぶらで訪問して利用できる。開始後約1カ月間は、同期間のイベントとコラボする関係から予約制になるという。サービスは、渋谷・池袋のほか、横浜市、札幌市、大阪市、福岡市の店舗で提供。各店舗に2ルームずつ設置するという。

 共同開発を担ったタイムルーパーは、2014年に米・ニューヨークで創業したベンチャー企業だ。日本法人の設立は20年8月。VR・AR技術を用いて、世界の観光地や施設で歴史的な事柄を体験できるサービスを手がけている。

 例えばカンボジアでは、アンコールワットの建設当時の様子を体験できるVRコンテンツをカンボジア政府と連携して開発。ニューヨークでは、観光スポットで歴史を学べるコンテンツを政府観光局と共に制作している。

 第2次世界大戦の歴史を日米それぞれの視点で学習できるコンテンツの制作も手がけている。米国ではワシントンやハワイの施設へ展開しており、ハワイのパールハーバーミュージアムでは、戦艦水没前の瞬間を体験するVRを提供。日本では広島の平和記念公園を軸に、原爆の惨状や体験談を伝えるコンテンツを展開している。

 コシダカホールディングスは、19年に中期経営ビジョン「エンタメをインフラに」を策定。店舗数の拡大に加え、カラオケルームをエンターテインメントルームに進化させるような新サービスの開発などを目指している。今回のメタカラもその1つとなる。

 同社は、コロナ環境下での店舗休業や需要減などで、21年度の決算では営業損益は76億円の赤字と、上場以来初の営業赤字に陥った。22年度は、経済活動の再開に伴い営業利益22億円とV字回復。23年度は中期ビジョン達成に向けた再始動時期と位置づけており、さらなる事業拡大を目指している。(記事:三部朗・記事一覧を見る

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