新型コロナの企業活動への影響、急速に縮小傾向 東京商工リサーチ

2023年4月23日 08:10

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 東京商工リサーチは20日、第27回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査の結果を発表し、新型コロナの企業活動への影響が急速に縮小している現状を示した。

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 大企業と中小企業いずれにおいても、「影響が継続している」と回答した割合が前回2月の調査時より大幅に減り、過去最低となった。一方、コロナ前の2019年同月と比べた売上高については、半数以上がいまだ減収状態にあり、中小企業ほど戻っていない現状が浮き彫りとなった。

 厚生労働省の発表によれば、21日に確認された都内の新型コロナ感染者数は1,441人で、前週の金曜日より226人増えた。前の週の同じ曜日を上回るのは5日連続と増加傾向にあり、ゴールデンウィークに感染が拡大するリスクが指摘されている。一方、3月13日にマスクの着用ルールが緩和され、5月8日には感染法上の扱いが変更される予定で、生活面はコロナ前に戻りつつある。

 ANAホールディングスは21日、2023年3月期の純利益が890億円の黒字になったと発表した。同社が業績予想を上方修正するのは3度目で、インバウンドの戻りなどコロナからの回復状況が予測を上回るペースで進んでいることを示している。従来予想は600億円の黒字で、2022年3月期は1,436億円の赤字だった。

 かかる状況下、東京商工リサーチは20日、第27回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査の結果を発表した。調査は、4月3日~11日にインターネットを通して行われ、有効回答数は4,553社。前回の結果は2月21日に公表されている。

 新型コロナが現在の企業活動に対する影響については、「影響が継続している」との回答は46.1%で、前回の60.4%から14.3ポイントも改善し、調査開始以来初めて50%を切った。大企業と中小企業のいずれも半数を下回った。

 2023年3月の売上高とコロナ前の2019年同月との比較では、50.8%がいまだにコロナ前の水準には達していなかった。こちらは、大企業では39.5%がコロナ前に戻っていないのに対し、中小企業は52.3%が戻っておらず大きな差が出た。

 また2019年同月と比べ売上高が半減以下の企業もあり、業種別では、不動産業、飲食業、旅行や結婚式場などの生活関連サービス業・娯楽業において、その割合が10%を超え、他の業種より多かった。(記事:dailyst・記事一覧を見る

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