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NYの視点:FRB、7月にも利下げに転じるとの見方も浮上
*07:35JST NYの視点:FRB、7月にも利下げに転じるとの見方も浮上
米国の中堅行3行が破綻したのち金融システムが不安定となっていたところに、欧州で長年経営難が懸念されていたクレディ・スイス銀の筆頭株主が追加支援を否定したことをきっかけにした同行株の急落の影響で域内全体にも金融不安が広がった。
主要各国中銀はインフレ高進を制御すべく昨年、歴史上でもまれな積極的な利上げを続けてきた。利上げが経済に反映するにはある程度の時間がかかる。このため、本年に入りFRBは利上げペースを減速。ただ、1月の雇用統計やインフレ指標が予想以上に強く利上げペースの再度加速予想も浮上していた。しかし、2月の雇用統計では雇用の伸びが予想を上回ったものの、失業率は予想外に上昇、賃金の伸びは予想外に鈍化。さらに、2月消費者物価指数(CPI)は予想通りに鈍化。また、生産者物価指数(PPI)は予想外にマイナスに転じ、インフレ鈍化の兆しを表明した。
インフレの鈍化や金融システムの脆弱化を受けて3月連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ見送り見通しも増えた。独立記念日前にFRBが利下げに転じるとの見方も浮上。短期金融市場は年末までに100BPの利下げを織り込んだ。ただ、ガソリン価格の下落が奏功し、経済は底堅い。2月小売売上高は前月比‐0.4%と予想通り1月+3.2%からマイナスに落ち込んだ。しかし、国内総生産(GDP)の算出に用いられる自動車、建材、給油、食品を除いたコアの小売り、コントロールグループは前月比+0.5%と、1月+2.3%から鈍化も予想外にプラスを維持。ガソリン価格の下落が奏功し1-3月期の成長にプラスに寄与する。
アトランタ連銀の1-3月期GDP見通しは3.15%と、従来の2.63%から引上げられた。
現状で3月FOMCでは25BPの利上げと利上げ見送りがほぼ5分5分の確率となっている。欧州中央銀行(ECB)は16日の定例理事会で25BPの利上げが8割織り込まれた。一時100%織り込まれていた50BPの利上げは2割まで低下した。
3月
FOMC予想:25BP:50%、利上げ見送り:47%
ECB:予想:25BP:80%、50BP:20%《CS》
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