後席シートベルトの着用率、一般道路では前年と変わらず42.9% JAFらが調査

2023年2月21日 16:25

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後席のダミーが運転席を衝突と同時に押しつぶしたJAFの実験(画像:JAF発表資料より)

後席のダミーが運転席を衝突と同時に押しつぶしたJAFの実験(画像:JAF発表資料より)[写真拡大]

 JAF(日本自動車連盟)は17日、警察庁と合同で実施した2022年版の「シートベルト着用状況全国調査」結果を発表した。後部座席(以下、後席)でのシートベルト着用率は、一般道路では前年比変わらずの42.9%、高速道路では同2.3ポイント増の78.0%だった。

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 2008年に後席でのシートベルト着用が義務化されすでに10年以上経過したが、一般道での着用率は4割にとどまり、後席シートベルトの重要性が、十分浸透されていないことが読み取れる。

 高速道路では前年を上回り、2002年の合同調査開始以来、最高の数字となった。一方で運転席が99.6%、助手席が98.7%という着用率に比べればまだ低い。全席シートベルト着用が義務化されており、後席の着用についても、高速道路で違反すると行政処分の基礎点数1点がついてしまう。

 シートベルトを着用していない場合の危険性については、免許更新時等でも多く聞かされてきたはずだが、記憶にない人も多いだろう。JAFでは、YouTubeで後席シートベルト非着用時の危険性を周知する「JAFユーザーテスト」の動画を公開している。

 動画は6分弱で要点がまとめられているため、非常にわかりやすい。時速55kmで車両前面をバリアに衝突させる方法により、テストは行われている。衝突時のダミーの挙動と、頭部障害基礎基準を計測している。

 クルマの運転席と助手席に、男性の大人のダミーにシートベルトをして配置。後席には女性の大人のダミーを配置して、運転席側だけシートベルトをしていない。

 テストを開始すると、衝突と同時に運転席後席のダミーが運転席のヘッドレストに強打し、さらに体全体で運転席を押しつぶしている。

 1,000を超えると頭部に重大な損傷が発生する頭部障害基礎基準では、後部の女性ダミーは2,192と非常に強い衝撃が加わっており、運転席のダミーも後部から押しつぶされ1,171とかなり高くなっている。

 JAFでは、様々なデータを公開して自発的に後席シートベルトを着用するよう呼び掛けており、今後も啓発活動を続ける予定だ。

 なお今回の調査は、2022年10月11日から12月3日までの間、一般道は781箇所、高速道路等は104箇所で実施した。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る

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