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「if」を使った英語の仮定法「Mixed Conditional」
前回まで3回にわたって英語の仮定法「Conditional」について述べてきた。「Zero」、「First」、「Second」、「Third」と4種類もあって覚えるのが大変だが、コアとなる部分を理解できればそれほど難しくないだろう。今回は、応用編として「Mixed Conditional」(日本語では「仮定法混合型」などと呼ばれる)について説明しよう。
【前回は】「if」を使った英語の仮定法「Third Conditional」 現実には起こらなかったこと
■基本は同じ時間軸
「if」のパートで条件(仮定)を提示し、続くパートで結果を表すのが「Conditional」の基本である(順番はどちらでもよい。先に結果を述べてから「if」パートを続けてもよい)。4種類ある「Conditional」だが、ここまで紹介したパターンでは、すべて「if」のパートと結果を示すパートは同じ時間軸でのことだった。
たとえば、「If water reaches zero degrees, it freezes.」の場合、水が0度に達するのも、水が凍るのもどちらも同じ現在のことだ。また、「If you don’t eat, you will get hungry.」の場合、「if」パートも結果のパートも未来のことを示している。なお、2番目の文では前半と後半で時制が違うが、語られている内容は同じ未来のことである。
だから、「If I won the lottery, I would buy a car.」の場合、時制は過去形だが、「もし宝くじに当たったら」は未来のことを語っている。また、それを受ける「車を買うだろう」も未来のことだ。
■前半と後半で時間軸が違う場合
上記のように、基本的に「Conditional」では、「if」パートと結果のパートが同じ時間軸になる。ところが、実際の会話や文章では、前半と後半が異なる時間軸となることも多いことに注意が必要だ。
「if」パートで過去のことを述べ、結果のパートでは現在のことを述べるというように、過去、現在、未来がいろいろ組み合わされて使われるのである。こう書くとややこしそうだが、実際の例を見るとそれほど厄介ではないことがわかるだろう。
たとえば、「If you had bought that wine yesterday, we could drink it now.」の場合、「if」パートでは「あのワインを昨日買っていたとしたら」と、過去である昨日のことを述べている。一方、それを受けるパートが示すのは「今ごろそれを飲めたのに」と現在のことだ。
また、「If I had a lot of money, I would have bought that boat yesterday.」の場合、「if」パートの「もっとお金があれば」というのは時制は過去だが、現在の状況を示している。だがそれを受けるパートでは、「昨日あのボートを買っていただろう」と過去について語っているのだ。
さらに、「If we were going on holiday tomorrow, we would have bought a suitcase yesterday.(もし明日休暇に出かけるのだとしたら、昨日スーツケースを買っていただろう)」のように、「if」パートで未来のことを述べて、それを受けるパートで過去について語ることもできる。
このように、「if」パートで現実とは異なる、または、現実にはありえないことを述べる場合、結果のパートでは異なる時間軸になることが多い。それが「Mixed Conditional」という形だ。(記事:ムロタニハヤト・記事一覧を見る)
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