4日の香港市場概況:ハンセン5.4%高で急反発、自動車や不動産に買い

2022年11月4日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 4日の香港市場概況:ハンセン5.4%高で急反発、自動車や不動産に買い
4日の香港市場は、主要73銘柄で構成されるハンセン指数が前日比821.65ポイント(5.36%)高の16161.14ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が312.01ポイント(6.03%)高の5482.52ポイントとそろって急反発した。売買代金は1886億4520万香港ドルに拡大している(3日は986億5340万香港ドル)。


中国経済対策の期待感が相場を押し上げる流れ。国内景気の悪化懸念が強まる中、当局は景気テコ入れスタンスを強める——との期待が広がっている。中国の劉鶴・副首相は共産党系メディアの人民日報(4日付)への寄稿文で、経済安定には内需拡大が有効と改めて指摘した。経済再開(リ・オープン)の思惑も根強い。香港メディアは3日、エコノミストの話として、「来年3月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)までは、中国の現行の新型コロナウイルス防疫政策に大きな調整はないが、地方の実務レベルでは微調整が行われる可能性がある」などと報じた。米国の対中圧力緩和も期待される。外電は4日、米国株式市場に上場する中国企業の会計監査状況について、米上場企業会計監督委員会(PCAOB)の査察官はこのほど、第1陣の検査を予定より早く終えたもようと伝えた。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄は、ほぼ全面高(構成73銘柄のうち上昇72)。個別では、不動産管理サービスの碧桂園服務HD(6098/HK)が15.4%高、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が12.7%高、中国電子商取引(Eコマース)大手の京東集団(9618/HK)が12.5%高、中国スポーツ用品大手の李寧(2331/HK)が12.4%高と上げが目立った。


ハンセン科技(テック)指数は、新興EV(電気自動車)メーカーの主導で7.5%高。小鵬汽車(9868/HK)が24.2%高、蔚来集団(9866/HK)が20.0%高、理想汽車(2015/HK)が17.5%高で引けた。販売の伸びが期待される。中国汽車工業協会(CAAM)の幹部は3日、新エネルギー自動車(NEV)国内販売見通しを上方修正した。


管理サービスやデベロッパーの中国不動産セクターも高い。上記した碧桂園服務のほか、世茂服務HD(873/HK)が18.7%、融創服務HD(1516/HK)が14.1%、旭輝(884/HK)が11.8%、碧桂園HD(2007/HK)が9.5%、華潤置地(1109/HK)が9.3%、中国海外発展(688/HK)が8.7%ずつ上昇した。


レストランチェーンや酒造の飲食関連も急伸。呷哺呷哺餐飲管理(520/HK)が16.4%高、海底撈国際HD(6862/HK)が10.1%高、海倫司国際HD(9869/HK)が9.4%高、青島ビール(168/HK)が6.7%高、華潤ビールHD(291/HK)が5.7%高、百威亜太HD(1876/HK)が5.5%高と値を上げた。


エアラインや空港、代理店など旅行関連も物色される。中国国際航空(753/HK)が7.4%高、中国南方航空(1055/HK)が7.3%高、海南美蘭国際空港(357/HK)が6.8%高、北京首都国際機場(694/HK)が6.4%高、携程集団(9961/HK)が12.0%高、同程旅行HD(780/HK)が8.2%高で取引を終えた。業況改善が期待される。当局は航空業界のコロナ規制緩和に向けた計画を練り始める——との観測情報が流れた(その後、中国外交部は、「航空規制緩和は認識していない」とコメント)。


一方、本土市場も大幅反発。主要指標の上海総合指数は、前日比2.43%高の3070.80ポイントで取引を終了した。消費関連株が高い。不動産株、空運株、金融株、資源・素材株、インフラ関連株、公益株、ハイテク株、医薬品株なども買われた。


亜州リサーチ(株)《FA》

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