【株式市場特集】景気遅行性のある倉庫株、マイナスベータ値の多い食品株、新型コロナウイルス感染症の「ウイズ・コロナ」関連株

2022年10月4日 09:44

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

今週の当特集は、この「休むも相場」の第一案の一方で、リスクを最小化する投資スタンスへチャレンジする第二の選択肢として提案することとした。市場全般のインデックス(株価指数)と連動性を示すベータ値で低いベータ値を示している業種や銘柄への一時避難である。

今週の当特集は、この「休むも相場」の第一案の一方で、リスクを最小化する投資スタンスへチャレンジする第二の選択肢として提案することとした。市場全般のインデックス(株価指数)と連動性を示すベータ値で低いベータ値を示している業種や銘柄への一時避難である。[写真拡大]

 今週の当特集は、この「休むも相場」の第一案の一方で、リスクを最小化する投資スタンスへチャレンジする第二の選択肢として提案することとした。市場全般のインデックス(株価指数)と連動性を示すベータ値で低いベータ値を示している業種や銘柄への一時避難である。低ベータ値銘柄は、インデックスの急落するほど個々の株価の値動きは激しくなく下値抵抗力が強いことを示している。もちろん仮にインデックスが急騰したケースでは、低ベータ値銘柄の反発は限定的で高ベータ値銘柄に買い敗ける可能性もある。しかし、この10月相場は、取り敢えず下値耐性が高いことが優先され、低ベータ値業種・銘柄が相対優位性を発揮することになるはずだ。

 低ベータ値業種・銘柄には医薬品、食品、小売りなどのディフェンシブ株が多く、具体的なランンキングは日本経済新聞が計算・集計(推計期間3年)しており、この上位銘柄にはベータ値がマイナスで、インデックスとは逆相関し相場全般の下落時に逆に上昇する銘柄もランクされている。同ランキングから業績動向、投資採算的に割安となる銘柄を自分流にピックアップすると、景気遅行性のある倉庫株のほかマイナスベータ値の多い食品株、新型コロナウイルス感染症の「ウイズ・コロナ」関連株などが候補株として浮上することになり、広く網を張って対処して「休むも相場」の次に備えたい。

■景気遅行性の倉庫株は業績上方修正などもテコに低ベータ値見直し

 倉庫株は、物流網の中核として企業の原料や製品の入出庫・保管・物流加工・仕分け業務などを担い、景気循環的にも業績的にも在庫積み増し・調整などを受けて景気の好不況への遅行性があり、株価も相場終盤期に動意付く習性が強いとされてきた。こうした物流網の急騰株といえば、コンテナ船市況高騰の恩恵を受け今年7月に今期業績を上方修正した大手海運株だが、倉庫株でも三菱倉庫<9301>(東証プライム)と三井倉庫ホールディングス<9302>(東証プライム)などがこれを追って今期業績を上方修正した。株価も、日本郵船<9101>(東証プライム)が今年3月に上場来高値まで買い進まれたのに3カ月遅れで8月に上場来高値をつけた。同高値から日本郵船の前週末30日の株価は、今年9月末の株式分割の権利落ちを勘案して40%強の調整となっているが、ベータ値が1.10の三菱倉庫の調整は4%超、三井倉庫HDの調整は12%超と下値抵抗力を発揮している。PERはそれぞれ11倍、5倍、PBRはともに1倍を割っている。

 その他の倉庫株は、大手海運株売りの影響で足元で年初来安値に売られる銘柄も多いが、低ベータ値銘柄をあげると0.03の東陽倉庫<9306>(東証スタンダード)以下、中央倉庫<9319>(東証プライム)、東洋埠頭<9351>(東証プライム)、川西倉庫<9322>(東証スタンダード)、ケイヒン<9312>(東証スタンダード)などと続き、住友倉庫<9303>(東証プライム)のベータ値は0.81にしか過ぎない。

■ベータ値マイナスの多い食品株、「ウイズ・コロナ」関連株には逆行高素地

 食品株は、コロナ禍下での巣ごもり消費にここにきての円安・ドル高による原材料価格高騰を転嫁する値上げなどが続き全般相場に逆行高しベータ値がマイナスとなる銘柄も多い。そのなかで業績が、上方修正を交えるなど順調に推移し投資採算的に割安となっているベスト・セブンをあげると次の通りとなる。ベータ値がマイナス0.79のライフドリンクカンパニー<2585>(東証スタンダード)以下、理研ビタミン<4526>(東証プライム)、日本食品化工<2892>(東証スタンダード)、イフジ産業<2924>(東証スタンダード)、日清オイリオグループ<2602>(東証プライム)、伊藤ハム米久ホールディングス<2296>(東証プライム)、永谷園ホールディングス<2899>(東証プライム)と続き、7番目の永谷園HDのベータ値は0.12である。

 「ウイズ・コロナ」関連株も、マイナスのベータ値のオンパレードである。2020年初頭のパンデミック(世界的な感染爆発)の第1波以来、全般相場急落のなかで逆行高を続けた結果であり、「ウイズ・コロナ」関連株が動意付く際のリード株になる川本産業<3604>(東証スタンダード)のベータ値は、マイナス1.25である。これに中京医薬品<4558>(東証スタンダード)、重松製作所<7980>(東証スタンダード)、興研<7963>(東証スタンダード)、日本光電<6849>(東証プライム)が続いてベスト5となり、日本光電のベータ値はマイナス0.28である。これから気温の低下とともに季節性インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の第8波の同時感染拡大が懸念されるなか、「万が一」に備える下値待機も一考余地がありそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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