積立投資利用者の6割超、相場変動を気にせず 今だからこそ考えたい積立投資の重要性

2022年10月4日 08:08

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 マネックス証券は9月30日、投資信託に関する実態調査の結果を公表した。調査は、同証券に証券口座を保有し投資信託の購入をしたことがある約5千人を対象にしたもの。

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 同調査では、毎月の投資額を5万1円以上に設定している人が全体の約3割であることがわかった。さらに、投資信託の購入者が選んでいる商品として、米国株式を組み入れた商品が最も多いという結果。

 積立投資の利用者のうち6割超が、世界的な相場変動が自身の投資に影響していないと回答している。米国株式を組み入れた商品が最も選ばれている一方で、世界の相場変動を気にしていないのは「積立投資だから」といえる。

 積立投資とは、主に投資信託などを毎月一定金額ずつ積立購入する仕組み。1度購入して終わりではない。イメージしやすいのは「つみたてNISA」だろう。

 つみたてNISAは、一般NISAと違い、毎月指定の商品を指定の金額ずつ積立購入していくもの。もちろん積立投資を行なうだけなら必ずしもNISA口座を利用しなくても良く、自身で積立設定をすればいつでも可能である。

 積立投資の最大のメリットは、なんといっても「ドルコスト平均法」だろう。ドルコスト平均法とは、価格が変動する商品に対して一定金額を一定ペースで購入し続ける方法である。

 毎月1万円の積立投資をすると仮定した場合、商品の価格が低ければ多く購入できる。逆に価格が高い場合は購入できる数が少ないが、積立購入を継続することで長期的に見ると合計価格が平均化されるため、より安定した運用結果が目指せる。

 ドルコスト平均法では、毎週や毎月など購入のタイミングが違うことから、自動的に時間のリスクを分散できる点もメリットといえる。そのため、積立投資で選ぶ商品が複数ある場合は、それぞれに対して時間のリスク分散も出来るため、さらに安定運用につながる。

 このような仕組みから、マネックス証券の積立投資利用者を対象にした調査結果でも「世界の相場変動を気にしない」と答えた人が多かったのだろう。少なくとも積立投資に関しては、ドルコスト平均法の効果を最大限発揮できる仕組みであるため、相場を気にせず淡々と決まった額の積立をしていくことが良いといえる。

 積立投資は、買い時や売り時の判断をする必要がないため、思い立った時にいつでもスタートできる点も良い。そのため、これまでに資産運用の経験がない場合でも入門編として十分おすすめできる投資手法である。(記事:大野 翠・記事一覧を見る

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