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JAL、発達障害ある人が安心安全に利用できるプロジェクト 搭乗や客室体験も
日本航空(東京都品川区)は5日、発達障害のある人でも安心・安全に航空機を利用できるためのプロジェクトを実施すると発表した。中央大学研究開発機構及び交通エコロジー・モビリティ財団と共同で行う。
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事前に搭乗体験を行い、最終的には実際に航空機に搭乗し、ツアーに参加してもらう。事前搭乗体験会は9月4日に訓練施設で実施。搭乗の手続きから保安検査などの手順を体験する。搭乗の体験も行う。訓練施設内に再現された航空機の客室に着席。他の席には乗客役の社員が座り、実際の機内に似た状況で過ごしてもらう。
9月下旬には羽田空港で空港体験と、客室体験を実施する。空港内のターミナルで匂いや音を確認したり、音声アナウンスを聞いたりする。その後、ツアー当日に使う航空機に搭乗し、中の様子を体験する。
ゴールに設定している「秋のアクセンシブルツアーin山形」は10月11日~13日に開催予定だ。航空機に乗って山形に移動し、芋煮会や果物狩りを行い、旅行を楽しむ。
近年日本では発達障害の人口が増加している。発達障害の特性は多様で、音や匂い、光に過敏な人、周囲の環境に不安を感じやすい人、そわそわ動いてしまう人、突発的事象への対応が苦手な人など様々だ。こうした症状があるため航空機を利用したことが無いケースも多い。
そこで、移動に困難を伴う人々が旅行できるアクセンシブル・ツーリズムに関して研究している中央大学の専門家や、交通機関のバリアフリー推進を行うエコモ財団とプロジェクトを立ち上げた。医師や専門のアドバイザーの知見を活かしながら、プログラムを構築している。
高齢者と障がい者を含むアクセンシブル・ツーリズムの世界の市場規模は1兆750億円との試算もある。高齢化が進むと将来的には3兆円規模にまで膨らむとの推計もある。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る)
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