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三井不動産と東京ガス、東京・八重洲に自立分散型のエネルギー供給拠点
三井不動産と東京ガスは1日、東京・八重洲に「八重洲エネルギーセンター」を竣工したと明らかにした。両社が共同で設立した三井不動産TGスマートエナジーが、7月31日に竣工した。同センターは、停電時などでも電力と熱の供給が可能な自立分散型のシステムを持つ。三井不動産らが開発中の東京ミッドタウン八重洲などに加え、既存施設や近隣エリアの建物への供給を予定しているという。
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八重洲エネルギーセンターは、東京ミッドタウン八重洲を中心に構築。同施設の地下に、都市ガスを燃料として電気をつくる大型のCGS(コージェネレーションシステム)を設置している。CGSの設置場所には地震の影響が少ない地下を選択、さらに浸水被害を抑えるため、建物は地下4階から地上2階までコンクリートの壁で覆う「つぼ型潜水艦構造」を採用した。
CGSはオンサイトで電力をつくるため、地産地消的に電気を使用できる。電力会社から供給される電気と併せて使用可能で、電源の多重化が図れる。電力会社からの電気が停止しても、ガスの供給が続く限り使用でき、余剰電力は電力会社に渡すことも可能だ。併せてCGSは熱供給も行う。CGSで発電する際に発生する熱を冷房や暖房、給湯などに活用できるため、熱設備の省エネルギーにもつながる。
八重洲エネルギーセンターの電力等供給先は、東京ミッドタウン八重洲のほか、既存施設の八重洲地下街がメインとなる。加えて、現在再開発中の八重洲2丁目中地区に建てられる施設にも、今後供給を行う予定という。
事業を担う三井不動産TGスマートエナジーは、2016年3月設立。出資割合は、三井不動産が7割、東京ガスが3割となっている。電気と熱の供給事業に加え、ビル開発の際にエネルギー供給システムを設置する都心向けのスマートシティ事業などを展開している。
八重洲エネルギーセンターは、三井不動産TGスマートエナジーらが手がけたエネルギープロジェクトの第3弾となる。19年3月末日、日本橋エリアでのエネルギーセンター竣工の後、20年3月末日には豊洲エリアでも竣工。いずれも竣工翌日から稼働を開始。センターを設置した日本橋室町三井タワー、豊洲ベイサイドクロスタワーの各施設内と、近隣エリアに電気と熱を供給している。
第3弾の中心地となる東京ミッドタウン八重洲には、店舗やオフィス、ホテルのほか、小学校や住宅、バスの総合発着施設なども含まれる。災害時には避難先となる小学校や、輸送を担うバス関連設備などへ電気等を供給し、都市の非常時にも貢献していくという。
東京ミッドタウン八重洲は、22年9月にバスターミナルと一部店舗がオープンする。グランドオープンは23年3月を予定している。(記事:三部朗・記事一覧を見る)
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