京急、社内アイデア公募の「ICHIRYU」開始 7月から検証実施

2022年7月22日 07:47

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(画像: 京浜急行電鉄の発表資料より)

(画像: 京浜急行電鉄の発表資料より)[写真拡大]

 京浜急行電鉄(神奈川県横浜市)は21日、グループ内のアイデアを公募する「ICHIRYU(一粒)」制度を2022年度から開始したと明らかにした。初回の応募は4月22日から5月23日に実施しており、7月から検証を行う。

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 初回は事業アイデア156件の応募があった。書類と面談で1次審査を行い、4件のアイデアを決定。7月中旬から仮説検証を3か月実施。プレゼン審査を経て10月以降に事業化の検討を継続的に行う計画だ。

 7月からの仮説検証では起案者本人か、事務局による検証を実施。グループの戦線地域や経営資源を活用してテストマーケティングをする。プロトタイプの構築や、実現性の検証を行う。

 有識者インタビューや顧客リサーチも行い、ビジネスモデルの精度を上げる。プレゼン審査に向けては、外部専門家のサポートを受けてビジネスプランをブラッシュアップさせる。

 京急グループは、モビリティを軸とした新規事業を立ち上げるべく、2018年から外部パートナーとのオープンイノベーションを推進。さらにグループ社員のアイデアの実現を推進しようと、「ICHIRYU」制度を立ち上げた。

 新型コロナウィルスの影響で、同社はこれまで構築してきたビジネスモデルの見直しを迫られている。グループ社員のアイデアを募り、外部パートナーの協力を得て新しいモデルを探る。

 対象者は京急グループの全社員で、3名までのグループでの応募を可能とした。「新規事業創出につながるアイデア」「既存事業成長につながるアイデア」を募集。採択基準は、将来性・成長性・独自性・実現性など。

 京急の川俣幸宏社長は「人々の価値観やライフスタイルが大きく変わった今だからこそ、ぜひ『新たな価値』を生み出してほしい」とコメントしている。

 尚、プロジェクト名称の由来は「一粒万倍(いちりゅうまんばい)」。一粒の籾が万倍に実り稲穂となるという意味を持つ。アイデアの一粒がやがて大きな実となり収穫できるようにとの思いを込めて名付けた。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る

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