渋谷の道玄坂に再開発組合発足、商業・ホテル・オフィスの複合施設建設へ

2022年1月28日 16:12

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再開発ビルの断面図と平面図(三菱地所発表資料より)

再開発ビルの断面図と平面図(三菱地所発表資料より)[写真拡大]

 東京都渋谷区道玄坂2丁目南地区の第1種市街地再開発事業で、再開発準備組合の再開発組合移行が東京都に認められ、28日に設立総会を開いて正式に発足した。京王電鉄井の頭線の渋谷駅に直結した商業、ホテル、オフィスの大規模複合開発を進め、2026年度の完成を目指す。

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 再開発区域の敷地面積は約6,700平方メートル。鉄骨鉄筋コンクリート地下3階、地上30階建てのオフィス棟、地下2階、地上11階建てのホテル棟を建設し、商業店舗やホテル、オフィスを入れる計画。延べ床面積は約8万7,000平方メートルを予定している。オフィス棟は低層階に商業施設、中高層階にオフィスが入居する。このうち、オフィスは各フロア1,500平方メートル以上の貸付面積とする。

 再開発組合は権利変換と既存建物の撤去工事を2022年度に始めたあと、2023年度から建設工事に着手。2026年度の完成を目指している。東京都によると、総事業費は約767億円。

 再開発はJR渋谷駅周辺から道玄坂に人々を誘引し、渋谷エリア全体の回遊性を高めるのが狙い。道玄坂1丁目、2丁目を結ぶ南北ネットワークの結節点に約850平方メートルの広場、延長50メートルにわたって樹木に囲まれた緑道を設置。来訪者の交流、憩いの空間にする。

 地元では、権利者らが2012年からまちづくり勉強会をスタートさせ、2017年に再開発準備組合を設立した。不動産大手の三菱地所が2020年から事業協力者としてプロジェクトに参加し、再開発組合に組合員として加わっている。

 道玄坂は大山街道の一部として江戸時代から繁華街として栄えてきたが、老朽化が進んだビルが多く、地域振興、災害対策の両面で対応が求められている。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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