ローソン、ゴーストレストラン事業参入へ 全国1000店導入目指して実証実験

2022年1月28日 07:49

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ローソンの店内厨房イメージ(ローソン発表資料より)

ローソンの店内厨房イメージ(ローソン発表資料より)[写真拡大]

 コンビニエンスストア大手のローソンは宅配専門のゴーストレストラン事業への参入を決め、東京都内で実証実験を始めた。店内厨房を活用して弁当や惣菜を作り、宅配代行サービスを通じて販売するもので、2025年度に全国1,000店舗への導入を目指している。

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 実証実験を始めたのは、ローソン飯田橋三丁目店(東京都千代田区飯田橋)。ウーバーイーツなど宅配代行サービスのアプリを通じて注文が入ると、店内厨房で調理し、でき立ての弁当などを届ける仕組み。注文受付時間は午前10時から午後9時半まで。スパイスで味付けしたチキンと野菜をごはんの上に乗せた「NY飯!スタンダード」などを調理している。

 今後は中華料理とカレーをミックスするなど、店舗周辺のニーズに合わせるとともに、地域に少ない飲食店の代わりになることを考えている。ローソンは全国8,000店に朝食や昼食需要に合わせて調理する厨房があるが、厨房の空き時間を有効活用できる。実証実験の結果を見ながら、導入店を増やして2023年2月末までに関東100店舗、2025年度に全国1,000店舗に拡大させる考え。

 客席や看板のない宅配専門のレストランは「ゴーストレストラン」と呼ばれ、米国ニューヨーク市で始まり、大流行している。家賃が安い場所で営業できるうえ、客席やウエイターを置かないことで経費を大幅に抑えられ、利益率が高くなっている。

 日本では新型コロナウイルスの感染拡大で宅配需要が一気に増えたことを受け、導入する企業が相次いでいる。大手飲食チェーンが宅配専門店を出し始めたほか、東京都目黒区上目黒や台東区浅草、大阪市中央区瓦屋町などには、厨房をスペースで区切ったゴーストレストランだけが入居するビルが誕生している。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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