前沢給装 Research Memo(4):売上高は全体的に回復基調となり、堅調に推移。期初計画に対しても上回って着地

2022年1月27日 15:04

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記事提供元:フィスコ


*15:04JST 前沢給装 Research Memo(4):売上高は全体的に回復基調となり、堅調に推移。期初計画に対しても上回って着地
■業績動向

1. 2022年3月期第2四半期の業績概要
前澤給装工業<6485>は財務指標に関して、持続的成長と収益性の向上を目指し経営の合理化及び効率を高め、財務体質の強化を通じて売上高経常利益率10%以上を確保することを目標として位置付け、その水準維持・向上に努めている。

2022年3月期第2四半期の売上高は14,042百万円(前年同期比4.7%増)、営業利益は1,138百万円(同8.4%減)、経常利益は1,207百万円(同6.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は785百万円(同15.2%減)となった。また期初計画に対しては、売上高で4.6%、営業利益で12.7%、経常利益で13.9%、親会社株主に帰属する四半期純利益で9.0%上回って着地した。売上高は全体的に回復基調となり、堅調に推移した。セグメント別で見ると、給水装置事業では底堅い配水管布設替工事や住宅需要の持ち直しを受けて継手類を中心に売上高が増加し、住宅設備事業では新設住宅着工戸数の回復に伴い給水・給湯配管システム関連部材等の販売が増加した。

営業利益増減要因については、増加要因として継手類、給水・給湯システム配管部材が堅調に推移したことにより売上高が632百万円増加、役員賞与や退職給付費用等人件費減少(69百万円)及び減価償却費減少(22百万円)により販管費が91百万円減少した。減少要因としては、銅価格急騰の影響額が約600百万円となり、売上原価が827百万円増加した。

2. 事業セグメント別の動向
(1) 給水装置事業
売上高は8,186百万円(前年同期比4.6%増)、セグメント利益は2,248百万円(同7.1%減)となった。コロナ禍前の水準には及ばないものの、底堅い配水管布設替工事の需要や住宅需要の持ち直しなどを受け、継手類を中心に売上高が増加した。利益面では、主要原材料である銅の価格が前年同期を大幅に上回って推移したことなどから調達コストが上昇した結果、減益となった。なお、銅価格は2021年5月に119万円/トンと過去最高値を更新した。

水道事業体が発注する配水管布設替工事に対して同社製品の納入を確保したほか、耐震性や施工性に優れた製品の提案活動に注力した。また、製品の主要原材料である銅の価格急騰の影響を最小限に抑えるため、生産活動の効率化などに努めた。

(2) 住宅設備事業
売上高は6,480百万円(前年同期比20.1%増)、セグメント利益は販売構成の変化もあり996百万円(同3.7%減)となった。新設住宅着工戸数の回復に伴い、給水・給湯配管システム関連部材等の販売が増加した。

引き続き販売チャネルの拡大を推進するとともに、空調分野向け製品の販売展開や連結子会社の前澤リビング・ソリューションズとの分担整理による営業活動の効率化などを進めた。

(3) 商品販売事業
樹脂製品の販売が増加したことから、売上高は1,172百万円(前年同期比16.8%増)、セグメント利益は68百万円(同37.3%増)となった。

3. 財務状況と経営指標
2022年3月期第2四半期末の資産合計は45,490百万円(前期末比1,485百万円増加)となった。これは主に、電子記録債権が240百万円減少したものの、受取手形及び売掛金が583百万円、現金及び預金が465百万円、有価証券が299百万円、商品及び製品が180百万円、投資有価証券が103百万円増加したこと等による。負債合計は8,093百万円(同500百万円増加)となった。これは主に、買掛金が740百万円、繰延税金負債が194百万円増加したこと等による。純資産合計は37,397百万円(同984百万円増加)となった。これは主に、利益剰余金が497百万円、その他有価証券評価差額金が404百万円増加したこと等による。これらの結果、自己資本比率は同0.5pt低下の82.2%、1株当たり純資産が1,675.36円(同47.12円増加)となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)《YM》

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