イタリア当局、Amazonに10億ユーロ超の制裁金 自社物流で支配的立場を濫用

2021年12月14日 08:27

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記事提供元:スラド

headless 曰く、 イタリアの競争・市場保護委員会 (AGCM) は 9 日、Amazon が市場支配的立場の濫用を規制する EU 機能条約 102 条に違反したとして、10 億ユーロを超える制裁金の支払を命じたと発表した (プレスリリースThe Register の記事The Verge の記事Ars Technica の記事)。

AGCM によれば、Amazon はイタリアのマーケットプレースサービス市場における支配的立場を濫用し、販売者に Amazon の物流サービス Fulfillment by Amazon (FBA) を利用するよう仕向けたという。

具体的には FBA を利用する販売者にのみ Prime ラベルを付与し、Prime Day やブラックフライデー・サイバーマンデー等のセールイベントへの参加は Prime ラベル付与者に限定するほか、FBA 利用者にはアカウント停止につながる可能性のあるパフォーマンス監視を非 FBA 利用者ほど厳しく行わないなどの利益誘導が行われているとのこと。

これにより販売者がFBAを選ばざるを得ない状態を作り出して物流サービスで競合する他社に損害を与えただけでなく、費用の高い FBA を利用するために販売者が Amazon 以外での販売を控えることでマーケットプレースサービスで競合する他社にも損害を与えたとしている。

制裁金の対象は Amazon Europe Core S.à r.l. と Amazon Services Europe S.à r.l.、Amazon EU S.à r.l.、Amazon Italia Services S.r.l. および Amazon Italia Logistica S.r.l. の 5 社で合計 11 億 2,800 万ユーロ。さらに競争状態を早急に復元するため、監視トラスティによる監視の対象にもなるとのことだ。

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