企業に求められる「ビジネス・コンポーザビリティ」とは何か

2021年11月24日 07:36

印刷

記事提供元:エコノミックニュース

ガートナーが世界のCIO約2000人を対象にした調査結果から「2022年に企業はビジネス・コンポーザビリティの採用を迫られることになる」とレポート。不確実性と継続的変化の時代の組織運営とは。

ガートナーが世界のCIO約2000人を対象にした調査結果から「2022年に企業はビジネス・コンポーザビリティの採用を迫られることになる」とレポート。不確実性と継続的変化の時代の組織運営とは。[写真拡大]

 コロナ禍で企業は大きな変革を迫られ、ウイズコロナにいち早く適応できた企業とそうでなかった企業では業績に大きな格差が生まれている。コロナの影響のみならず現代の経営環境はグローバル化やテクノロジの加速的変化の中で不確実性を増し、企業は継続的な変化に適用できる組織運営を求められている。

 グローバルITコンサルタント企業のガートナーが最新レポートを発表、2022年から世界の企業はビジネス・コンポーザビリティの採用を迫られると指摘している。ビジネス・コンポーザビリティとは「ビジネス・ニーズの変化に合わせて組織が迅速に革新・適応できるようにするマインドセットおよびテクノロジ、一連のビジネス運営能力」を意味し、その土台となるのは「モジュール化をビジネス資産に適用する」ことだ。

 11月8日、ガートナーの日本法人が日本を含む世界のCIO約2000人を対象にした調査に基づく同社CIOアジェンダの解説レポートを公表しているが、米国版アジェンダの中で「高いコンポーザビリティを持った組織が他の組織よりも先にパンデミックから抜け出した」ことが判明したと記されている。同社アナリストのモニカ・シンハ氏によると「ビジネス・コンポーザビリティが高い企業のCIOの63%は、過去12カ月のビジネス・パフォーマンスが同業者や競合他社よりも優れていた」と回答しているという。

 コンポーザビリティが高い企業の大多数が既に導入または2022年に導入を予定している主要なテクノロジーはAIと分散クラウドの2つで、これらはテクノロジ能力のモジュール化を可能にするためビジネス・コンポーザビリティを推進する。22年に投資が計画されている分野は、「サイバーセキュリティと情報セキュリティ」が全回答者の66%と最大になっており、次いで「ビジネス・インテリジェンス、データ・アナリティクス」の51%、「クラウド・プラットフォーム」48%と続く。シンハ氏は「ビジネス・コンポーザビリティが高い企業のほとんどは、継続的かつ反復的に戦略的プランニングと予算編成を行っており、変化に容易に適応している」と分析、コンポーザビリティが高い企業ほどIT投資に積極的なようだ。レポートは「不安定な状況がビジネスの推進要因となり」、「ビジネス・コンポーザビリティの3つの領域、すなわちコンポーザブル・シンキング、コンポーザブル・ビジネス・アーキテクチャ、コンポーザブル・テクノロジを進化させることができるのはCIO」であると指摘している。(編集担当:久保田雄城)

■関連記事
日本のAI活用マーケティング、世界トップ。一方、管理職のデータガバナンス理解は世界最低
広告市場2桁回復。巣ごもり需要でネット広告へシフト加速。動画広告、ブランド向上系出稿が増加傾向
景気拡大。世界の設備投資回復、工作機械等2桁の伸び、中国・アジアが牽引し長期拡大の見通し

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

関連キーワード

関連記事