2021年ノーベル経済学賞、因果関係に関する結論が自然実験から導けることを示した3氏が受賞

2021年10月13日 08:14

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記事提供元:スラド

headless 曰く、 2021 年ノーベル経済学賞は米カリフォルニア大学バークレー校のデビッド・カード氏 (カナダ出身) が半分を受賞し、残り半分を米マサチューセッツ工科大学のジョシュア・D. アングリスト氏と米スタンフォード大学のグイド・W・インベンス氏 (オランダ出身) が共同受賞した (プレスリリース一般向け情報詳細情報)。

カード氏の授賞理由は労働経済に対する彼の実証的貢献、アングリスト氏とインベンス氏の授賞理由は因果関係の分析に対する彼らの方法論的貢献。社会科学上の問題は対照群を使用できないため因果関係の特定が難しいが、3 氏は自然実験を用いることでこのような問題に答えられることを示した。その鍵となったのは、偶然の出来事や政策の変更により、他とは異なる扱いを受けるようになったグループを対照群として用いることだ。

カード氏は自然実験により、最低賃金や移民、教育による労働市場への影響を分析した。彼が 1990 年代初めから行った研究は社会通念と異なる結論を導き、たとえば最低賃金の上昇は必ずしも雇用の減少につながらないことが示された。しかし、自然実験で得られたデータを解釈するのは容易ではない。アングリスト氏とインベンス氏は1990年代半ば、この方法論的問題を解決し、自然実験で得たデータから因果関係に関する正確な結論を導き出せることを示した。

3 氏の研究は自然実験が知識の豊かな源であることを示した。それは因果関係に関する結論を導く我々の能力を大きく向上させ、社会に大きな利益をもたらしたとのことだ。

なお、スウェーデン王立科学アカデミー事務局長のジョラン・ハンソン氏は 12 年間にわたってノーベル賞受賞者を発表してきたが、今回の経済学賞が最後の発表となる。ハンソン氏は 12 年間で 24 回の発表を行い、67 人に電話で受賞を伝えたそうだ (動画)。

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