米国、イベルメクチン騒動で病院側が声明 服用による入院急増は否定

2021年9月9日 17:28

印刷

記事提供元:スラド

crass 曰く、 世界で最も稼ぐポッドキャスト配信者の一人であるジョー・ローガン氏が新型コロナ陽性を発表すると同時にイベルメクチンを効能を喧伝し自らの治療に使用する事を公言した(Varietyその1その2その3)。リバタリアンであるローガン氏は主流メディアから敵視されており、この件もメディアでさかんに批判された。そしてこの直後から「Jason McElyea」なる医師が情報源の「イベルメクチンをコロナ治療薬として勝手に服用し、具合が悪くなって救急車で運び込まれる患者が急増している」というニュースを各メディア競って報じた。しかしJason McElyea医師が勤務しているとされた病院は「イベルメクチンを服用した事による患者は一人もいない」と否定した。

 KOKHの記事のリンクを見る限り、この騒動の火元の一つであるRolling Stoneの記事はすでに削除されている模様(Internet Archiveにもなし)。なお、タレコミで話題となっているJason McElyea医師自体は実在する人物だそうだ。渦中のオクラホマ州のNHS Sequoyah病院では緊急治療室をカバーする医療スタッフの一人に登録されていたという。その一方で、Jason McElyea医師は2か月以上、同病院では仕事をしていないとのこと。またタレコミにもあるように、同院ではイベルメクチン服用に関連した治療者はいないとする声明を出した(KOKHFOX4KC)。

ただJason McElyea医師は人材派遣会社を通じて、複数の病院で働いていたことが判明している。同医師はIntegris Grove病院で強い権限を持っているとされ、そのIntegris Grove病院では、救急外来でイベルメクチン接種による患者が数名発生したことを確認しているそうだ。

 スラドのコメントを読む | 医療

 関連ストーリー:
「ぎょう虫駆除薬がコロナに効く」デマがSNSで流布。 2021年08月31日
イベルメクチンの効果で情報が錯綜 2021年08月27日
家畜用のイベルメクチンを飲むアメリカ人が急増、FDAが「あなたは牛や馬ではない」と警告 2021年08月24日
興和、イベルメクチンの治験開始。国内企業では初 2021年07月06日

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事