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コロナ禍のコンテナ不足はいつまで続くのか?
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●世界的なコンテナ不足
長引くコンテナ不足が様々な影響を及ぼしている。
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自動車部品の供給安定化、木材価格などの物価高騰、仕入れ価格の上昇による企業の減益など、多岐にわたる。
コンテナ不足が影響を及ぼしているというよりは、コロナ禍がコンテナ不足を引き起こしたと言ってもいいだろう。コンテナ不足は昨年から続いており、2021年中は影響が出ることも懸念される。今後もその影響は続くのだろうか?
●コンテナ不足に陥った背景
元々、米中貿易摩擦でコンテナの生産を減らしていたところに、新型コロナウイルスの感染拡大によって、さらに生産量が減少した。
コンテナの生産は9割を中国が占めており、サプライチェーンの変更は容易ではない。
一方コロナ禍により、米国を中心とした巣ごもり需要によって、輸送量が爆発的に増加。中国から米国への荷物は増えた。中国ではいちはやくコロナ禍から回復したため、商品の供給能力は高まっていたのだ。
ただ中国からの荷物が増えていた時期、米国ではコロナが収まっていなかったため、荷物を運ぶドライバーが不足。コンテナが港に滞留するという事態も発生した。北米に滞留していることで他のエリアのコンテナが足りなくなるという偏在も起きていた。
3月に起きたスエズ運河での座礁事故も、コンテナ不足に拍車をかけてしまった。
●いつまで続くのか?
コンテナ不足による物流網の混乱は現在も続いており、早くも年末のクリスマス商戦に影響が出ることが懸念されている。
コンテナ不足の解消には、航空輸送の切り替えという選択肢がある。
海運に比べて余剰があり、稼働率が高く、短期間で運べるというメリットはある。だがコストの面でどうしても切り替えができないものも少なくない。
コロナ禍での給付金バブルによる巣ごもり需要の面も大きかっただろうが、コロナ禍を克服した国が増えることで、モノ消費からレジャーなどのコト消費に移行することが予想され、需要が減ることも予想される。
国によっては徐々に解消に向かっているところもあるが、港の混乱が解消しきれていない限り、コンテナ不足はまだまだ続くだろう。 (記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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