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「ファクターX」が不明でも、新型コロナの脅威は日本と欧米で全く違う! (上)
ノーベル賞受賞者である山中伸弥氏の唱えた、「ファクターX」をご記憶だろうか?
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世界中に猛威を振るっている新型コロナウイルスの陽性者や死亡者数には、国別に大きな隔たりがある。感染の勢い強い欧米各国と日本を含む東南アジアでの勢いには明らかに違う。
感染拡大が進む国々にとって、日本での陽性者数や死亡者数は「何故?」と疑問符を付けて語られるほど少ない。山中氏は感染の状況に大きな乖離が発生している状況を解き明かすため、その理由を仮に「ファクターX」と名付けて、調査を進めている。
世界各国でも、様々な仮説や条件を検討しながら、「ファクターX」が何であるかを究明しようとしているが、今のところ人々を頷かせるような、説得力のある答えは出ていない。
新型コロナの感染状況に関して報じられるのは、主に陽性判定者数(イコール感染者数ではない)と死亡者数だが、陽性判定者数に関しては偽陽性や偽陰性が存在することや、PCR検査のCt値に基準が存在していないこと、総検査数との関連が確認できないこと、を勘案して死亡者数のみの表にまとめた。
国名 | 21年6月末 | |||
死亡者 | 人口比 | 1カ月平均死亡者 | 人口比 | |
ブラジル | 515,985 | 0.246% | 28,666 | 0.0137% |
コロンビア | 105,934 | 0.213% | 5,885 | 0.0119% |
アルゼンチン | 93,668 | 0.211% | 5,204 | 0.0117% |
イタリア | 127,542 | 0.210% | 7,086 | 0.0117% |
ポーランド | 75,005 | 0.198% | 4,167 | 0.0110% |
英国 | 128,390 | 0.191% | 7,133 | 0.0106% |
米国 | 604,467 | 0.185% | 33,582 | 0.0103% |
メキシコ | 232,803 | 0.184% | 12,934 | 0.0102% |
スペイン | 80,829 | 0.173% | 4,491 | 0.0096% |
フランス | 111,230 | 0.171% | 6,179 | 0.0095% |
ドイツ | 90,884 | 0.109% | 5,049 | 0.0061% |
イラン | 84,127 | 0.103% | 4,674 | 0.0057% |
ロシア | 132,314 | 0.091% | 7,351 | 0.0050% |
トルコ | 49,687 | 0.060% | 2,760 | 0.0034% |
インド | 398,454 | 0.029% | 22,136 | 0.0016% |
日本 | 14,797 | 0.012% | 822 | 0.0006% |
※日本の死者数は6月30日午後8時現在として厚労省から発表されたもの。他国の死者数は6月30日午後4時現在として米ジョンズ・ホプキンス大から公表されたものを、死亡者数が総人口に占める割合の高い順に並び変えたもの。1カ月平均の死者数は20年1月を始期として、21年6月までの月数である18で単純に除した。
日本の総人口に占める新型コロナの死亡者割合は、ドイツの10分の1でイタリアの20分の1と圧倒的に少なく、欧米人が「何故?」と感じていることを確認できる。
この表を見て言えることは、新型コロナと一括りにされている感染症が、世界中で同じように陽性反応を引き起こし、同じように死をもたらすものではないということだ。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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