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2つ目の、PCR検査そのものへの疑問は更に深刻だ。ウイルス検査にはウイルスの遺伝物質を「増幅」させる作業が不可欠だ。「Ct値(threshold cycle)」と表現される増幅回数は世界で統一的に設定されている訳ではない。概ね30~35程度が妥当されているようだが、日本では40以上に設定されている。
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ちなみに、整数で倍率を表示するとCt値30の場合は5億3000万倍であり、Ct値が40になると5497億倍になる。倍率が大きくなると精度が増す訳ではなく、既に死んだウイルスの破片を検出して陽性者と判定している可能性が増す。
繊維の破片のような糸くずを拡大して見たら、特大のロープのように見えて大騒ぎするようなものだ。混然と伝えられる情報の中で、「症状の出ない感染者がいる」の場合、冷静に考えれば「感染していないのだから、症状が出ないだろう」という選択肢に気が付く筈だ。それが、「症状のない感染者が、感染拡大を進めている」と読み取れば、不気味さが拡大して、ますます恐怖感を募らせることになる。この点に疑問を呈しない専門家諸氏の怠慢は、甚だしいと考えるべきである。
PCR(ポリメラーゼ連鎖反応) 法を開発した功績で、ノーベル化学賞を受賞したキャリー・マリス氏は再三「PCR検査を感染症の診断に使うな!」と警告していたことで知られる。「結果を誘導できる」ということが理由のようだが、専門家がこの挿話を知らない筈がない。本当に知らなければ専門家に値しない不勉強だし、知っていて問題提起しないのは不誠実極まりないことになる。どちらにしても政府の分科会に名を連ねている「専門家」の頼りなさを象徴する話だ。
新型コロナが感染症2類に指定されているため、患者の対応には様々な制約があり医療機関の負担も大きい。医療崩壊が喧伝されて来た要因の1つが、医療機関への加重な負担にあると指摘されている(医療崩壊を懸念させるもう1つの要因は、開業医を主な会員とする日本医師会の非協力的な姿勢にあることは周知のことだ)。
中国で新型コロナが発見された際に、「野生動物を介して変異した危険なウイルス」というイメージと、中国当局が発生を隠蔽していたことが重なって、恐怖感が増幅されたため、実態から乖離した感染症2類に指定された背景がある。
安部前首相が退任する際に、感染症2類の扱いを見直すように申し送りが行われ、厚労省が感染症5類への変更を検討したものの見送りとなった。見送りの理由は明らかにされていないが、所謂専門家が強硬に反対したという話は伝わっている。
専門家諸氏が、規制の緩和に対しては「リバウンドへの懸念」と「警戒」を口にするばかりで、エビデンスを明示した適切な解説がないことに、失望感が漂っている。今回の意見広告が専門家を覚醒させるかどうか、見守っていくべきだろう。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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