エアトリ、21年9月期の最終利益を上方修正

2021年6月2日 08:30

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■子会社売却により連結売上高は減少

 エアトリ(6191)は5月31日大引後に21年9月期通期の業績予想の上方修正を発表した。売上収益は当初予想の243億円から21.8%減の190億円としたが、営業利益は100.0%増の26億円、最終利益は125.6%増の16億7200万円と大幅増益となる見込みだ。

 前期決算と比べると、売上収益は前期比10.6%減、営業利益・最終利益は共に赤字からの回復となる。

 売上収益の減少は、同日に締結された同社連結子会社であるナショナル流通産業の株式譲渡に基づくものであり、連結子会社からの除かれることから売上収益が減少する見込みとなったからだ。

 一方で、主力の旅行業は第2四半期までは国内領域が安定に推移。その他の5事業もいずれも好調であったことから、第2四半期の営業利益は予想を大きく上回る20億円となった。4月以降は緊急事態宣言もあり旅行業は影響が出るものの、その他の5事業は順調に推移していることから、今回の上方修正に繋がった。

■グループの「リ・スタート」の一環

 新型コロナウイルス感染症によって本業である旅行事業で大ダメージを受けた同社。前期の20年9月期の最終損益は86億9200万円の赤字を計上した。エアトリ経済圏と銘打ち、積極的なM&Aによって多角化を図ってきた同社だが、21年9月期を「第2ステージ(リ・スタート)」元年とし、事業再編を含めた新たな事業成長戦略を打ち出している。

 その中で21年2月に、金券ショップ事業を行う同社100%子会社のナショナル流通産業を、同業のキャビンに対して譲渡することを発表し、5月31日に株式譲渡契約を締結した。同社としては事業ポートフォリオの再構築を実施しつつも、積極的なM&A実施により業容拡大を図っていく模様。

■コストコントロールによって財務面の強化も

 積極的な事業戦略の一方、固定費削減等も実施し、財務面の安定化を図る。人件費では役員報酬の一部返上や休業による人件費削減を実施する他、変動費についても広告費等コストコントロールによって経費削減に努めている。事業ポートフォリオを分散することで、粗利益の改善を図り、目先の事業拡大の土台を構築している。

 引き続きコロナ禍における旅行需要の低下から、主力事業の苦戦が見込まれる中、上方修正による利益面の改善は、同社の企業努力の賜物であると言えるだろう。(記事:拓蔵・記事一覧を見る

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