4月の百貨店とSC売上、2カ月連続でプラス コロナ前比では厳しい状況続く

2021年5月29日 10:31

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 日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が4月度の売上高を発表し、新型コロナウイルスの反動増により2カ月連続で前年同月比プラスとなったものの、一昨年と比べて厳しい状況が続いていることも分かった。

【前月は】3月の百貨店とSC売上、18カ月ぶりにプラス 新型コロナの反動で

■百貨店は2カ月連続でプラス

 24日、日本百貨店協会が4月度の全国百貨店売上高概況を発表した。売上高は前年同月比(店舗数調整後)167.0%増の3,178億6,217万7,000円となり、2カ月連続でプラスとなった。ただし19年4月比では27.7%減となり、3月の前々年比19.1%減からマイナス幅が拡大しているため、依然として厳しい状況が続いていることが分かる。

 宝飾品や時計などの高級品、イエナカニーズに沿ったリビング関連、家電製品、食料品が好調だった。EC売上も好調に推移し、母の日ギフトや化粧品、食料品などが前年の倍以上に伸長した店舗もあった。また平均気温の高さもあってか軽衣料や新生活需要からスーツなども順調だったという。

■横浜や名古屋は前年比約3倍、福岡では約5倍に

 3月に続いて都市別、都市以外の地区別では全てプラスだった。特に都市では東京(前年同月比:186.2%増、以下同じ)、横浜(216.8%増)、名古屋(202.9%増)、大阪(179.5%増)、神戸(270.1%増)、福岡(462.4%増)、都市以外の地区では関東(167.2%増)、中部(123.7%増)で大きく伸びた。その一方で北海道(49.3%増)、東北(56.5%増)で伸び率が低めだった。

 商品別でも全てプラスだった。特に紳士服・洋品(296.4%増)、婦人服・洋品(402.1%増)、身の回り品(326.8%増)、化粧品(208.9%増)、美術・宝飾・貴金属(370.6%増)、菓子(134.4%増)、食堂・喫茶(420.1%増)などの伸びが大きかった。

■ショッピングセンターも2カ月連続プラス

 28日、日本ショッピングセンター協会が4月度のSC販売統計調査報告を発表した。売上高は前年同月比141.2%増の4,020億2,176万9,000円となり、百貨店同様に2カ月連続でプラスとなった。

 新型コロナウイルスの影響により大きく落ち込んだ反動で全体的に前年比でプラスとなったものの、3回目の緊急事態宣言に伴う店舗の時短営業や休業により、19年4月との比較では24.8%減となっており厳しい状況が続いている。特に業種別では、飲食店や大型連休中の営業が縮小した映画館などのサービス業に影響が大きかったという。

■千葉、川崎、大阪で大幅プラス

 売上のうち、テナントが前年同月比202.4%増の3,150億1,070万円、キーテナントが同39.2%増の870億1,106万9,000円となり、どちらも全体同様に2カ月連続でプラスとなった。

 大都市やその他の地域では全て前年同月比プラス。大都市では千葉市(前年同月比:284.1%増、以下同じ)、東京区部(180.4%増)、横浜市(173.9%増)、川崎市(222.0%増)、大阪市(210.3%増)、神戸市(210.3%増)、福岡市(214.5%増)。その他の地域では北海道(139.0%増)、関東(166.2%増)、中部(149.5%増)で大きく伸びている。一方、京都市(31.5%増)、広島市(74.7%増)、四国(46.1%増)などで伸び率が低めだった。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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