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東芝買収騒動のその後
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●東芝買収案が不透明に
英国投資ファンドCVC・キャピタル・パートナーズから買収の提案があった東芝だが、初期提案があったことは認めたが提案に応じない方針を明らかにしてから、株価は大幅に下落した。
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買収提案後は5000円近くまで急騰したが、暗礁に乗り上げてからは4000円付近まで下落した。5月に入ってからは、4500円付近まで値を戻しており、特に失望売りが広がっているというわけではなさそうだ。
●買収案を受けてからの東芝の動き
買収案を受けてから、約2週間後の4月20日にはCVC側から「検討を中断する」という書面を受け取ったと東芝側が発表した。1株5000円での買い取りやTOBでの買い付け、上場廃止などの提案への抵抗が強かった。
かつてCVCに所属していた東芝の車谷社長(当時)が14日に辞任したことで、一気に買収への旗色が悪くなった。
CVCは中断としているので、今後買収案を練り直し、より具体的で東芝側の意向に歩み寄った提案をしてくる可能性はあるが、現地点では厳しいとの見方が強い。
●今後も買収提案はあるのか?
インフラ事業であることから、東芝が外為法の外資規制対象になることで、そもそも買収へのハードルは高い。
東芝の株主であるシンガポールファンドの3Dインベストメントパートナーズは、非上場化を含めた戦略的選択肢を再検討するように書簡で求めたとされる。
現在は具体的な提案はないとしているが、米プライベートエクイティ投資会社KKRが買収を検討しているというブルームバーグの報道もあったが、資金調達を銀行と交渉し、水面下で動いている投資会社もあるだろう。
3Dインベストメントは、適正株価は1株6500円超と確信しているとしており、東芝も具体的な買収案があれば真摯に検討するとしつつも、この強気の価格が今後、買収提案があった場合に大きな障壁になるのではないだろうか?
東芝の姿勢としては上場会社としてのメリットを生かすことを優先するとしており、今後買収となれば非上場化の提案が出た時にも拒否反応が強まることが予想され、一筋縄ではいかないだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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