日本人が間違いやすい中国語の発音! 学習初期で覚えておきたい3つのポイント

2021年4月29日 08:38

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 日本人が中国語を学ぶ時に最も苦労するのが、発音だ。中国語には日本語では区別しない発音がたくさんあるため、聞き分けることが難しい。聞き分けられない単語を言い分けるのはほぼ不可能だ。

【こちらも】知らないと喧嘩になる!? 中国人の口癖やよく使うスラングとは

 中国語は、5千年の歴史の中で次々と生まれてきた新しい言葉を、微妙な発音の違いで区別し、使い続けている歴史と伝統の言葉だ。中国人がまるで喧嘩しているように大きな声で話すのは、それなりの声量ではっきりと発音しないと、正確に意味を伝えられないということが一因と思われる。

 中国語の発音に関して学ばなければならない大切なルールは、たくさんある。しかし、全て覚えようとしたら、時間も労力もかかって大変だ。最初から全てのルールを覚えようとしたら、挫折して前に進めなくなってしまう可能性もある。

 今回は、中国語学習の初期段階で必ず知っておきたい、発音に関する3つの最重要ポイント「四声」、「そり舌音」、「鼻母音」について、YouTube動画なども活用しながら説明したい。その他の発音のルールについては、中国語学習をトータルで進めながら、徐々に身につけていこう。

■1、四声

 第一声: mā 第二声: má 第三声: mǎ 第四声: mà

 中国語は声調を間違えると意味が伝わらない。4つの声調のイントネーションを正しく発声することと、一つ一つの単語の声調を覚えることは中国語を学習する上で不可欠だ。日本語にも抑揚はあるが、高低の差が少ない。よって、日本人がネイティブに近い四声を発声するには、下記の2点に留意したい。

・高低の抑揚をおおげさすぎるくらいはっきりとつける
・第一声: māはより高く、第三声: mǎはより低く発音する。

 上記2点に気をつけると、中国語の発音がぐっとネイティブっぽく聞こえてくるから不思議だ。四声の覚え方のコツについては、下記の動画でも詳しく解説している。

【発音編】四声を覚えるコツはこれだ!【ゼロから始める中国語】

■2、そり舌音(巻きした音)

 そり舌音はzhi、chi、shi、riの4つある。これも日本語には無いため、日本人が苦手とする発音だ。そり舌音を正確に発音するためのコツは下記の2つ。

・舌をぐっと後ろに反る、あるいは舌を思い切り上に巻く。
・前歯が見えるような丸い口の形にして発音する。

 下記の動画で中国人の口の形を確認しながら覚えてみよう。

 Lilian実践中国語講座 #72 発音

■3、 nとngの違い(例:山shān,上shàng)

 日本語ではどちらも「ん」で区別しないため、両者の違いを正しく聞き分け発音するのは非常に難しい。正確に発音するコツは下記の2つ。

・nは唇を横に引き、舌は前歯の歯茎の裏側につける。
・ngは、唇を縦に開き、舌は奥に引っ込める。

 中国語には、nとngで終わる単語が多く、区別できないと、パソコンでピンイン入力する時に面倒だ。nとngを簡単に見分ける方法は下記の通り。

・日本語の音読みが「ん」で終わる漢字は「n:」
 例:看kànの音読み→かん、金jīnの音読み→きん

・日本語の音読みが「う」などで終わる漢字は「ng」
 例:康kāngの音読み→こう、京jīngの音読み→きょう

 下記の動画で、nとngを発音する時の口の形の違いなどについて確認しておこう。

nとngの違いは?鼻母音のコツは舌【中国語講座】

 *自分の弱点を知ろう。
 下記の動画では、日本人が間違えやすい発音について、自己診断ができる。15の問題に答えることで、自分の弱点や聞き分けられない単語を知ることができる。

【リスニングチャレンジ】間違えやすい中国語の発音!わかりやすい口元アップ動画付き!

 自分の弱点や問題点を把握し、普段の学習の中で、意識して正確に発音するように心がけよう。語学習得に近道は無い。日々の学習の積み重ねが大事だ。(記事:薄井由・記事一覧を見る

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