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従来の方法から強くて丈夫な「タフゲル」生成 合成比率の最適化で 関大
ゲルは、医療や環境、エネルギーなどの分野で注目されている材料の1つである。しかし、一般に合成されるゲルは力学的な強度が低く、限られた応用先でしか使えないという問題があった。関西大学の研究グループは、汎用的な合成法で高い強度を示す「タフゲル」の合成に取り組んできたが、12日、従来の合成法を最適化することで、タフゲルの合成に成功したと発表した。
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これまで研究されてきたゲルは、様々な機能を有するものの、力学的強度の低さが実用化への障壁となってきた。だが例えば、人体の細胞のような自然界に存在する「ゲル」は、強度が高く耐久性にも優れていることが知られている。そのため、自然界のゲルに見られるような優れた力学特性を示すタフゲルに関する研究が進められてきた。
タフゲルについて研究グループが着目したのは、分子同士の架橋の仕方に関する特徴である。これまで合成されてきたような強度の低いゲルは、化学的な結合による架橋の割合が高い。しかし、いわゆるタフゲルは化学架橋よりも物理的に絡み合った架橋の割合が高いのである。
今回の研究では、物理架橋の割合を高くするため、合成時の架橋剤の割合を調整するアプローチが採られた。ゲルの合成にはそのもととなるモノマーと、モノマーを架橋とするための架橋剤が用いられる。架橋剤の含有率が高いと硬くてもろいゲルになるが、架橋剤の含有率を低くすると強くてタフなゲルが得られることが判明した。
タフゲルの材料として今回用いられたモノマーは、アクリルアミドなどの汎用的な材料や医用材料などである。また、架橋剤の含有率を調整するという簡易な方法のため、様々な材料へ応用することが可能である。
つまり、従来のタフゲルと異なり、これまでの製造プロセスを大きく変えることなく強度の高いゲル合成が可能となる。医療や環境、エネルギーの分野では繰り返しの使用や長期の使用が必要なため、タフなゲル材料の実用化へとつながることが期待される。
今回の研究成果は9日付の「NPG Asia Materials」誌オンライン版に掲載されている。
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