コーティー 2021年秋冬コレクション - “陰”の肌理、本阿弥光悦の陶芸に着想

2021年3月26日 08:04

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記事提供元:ファッションプレス

 コーティー(KoH T)の2021年秋冬コレクションが発表された。

■本阿弥光悦の陶芸に着想

 “COSMIC DUAL FORCES - MINUS -”をテーマに、東洋の陰陽思想に着目した今季のコーティー。とりわけ、江戸時代初期の芸術家・本阿弥光悦の陶芸に着想を得て、深みのある黒のファブリックを使用したそのコレクションは、さながら“陰”の肌理を示すようである。

■黒の“肌理”

 見た目に陶芸の肌理を思わせるのが、黒い和紙を使用したファブリックからなるウェアだろう。卵のように緩やかなシルエットを描くロングコート、エポーレットなどでミリタリーなディテールを加えたアノラック、シングルブレストやダブルブレストのスーツなど、深みのあるブラックカラーが、グレーに、ベージュにとニュアンスに富んだムラ感を生みだしている。和紙由来ならではの独特のシワ感も特徴的だ。

 また、黒の和紙と綿をボンディングし、職人の手による器の上のムラ感を表現したミリタリーウェアも。手で焼き物の生地を成形してゆく、確かな手触りを伴った身振りをなぞるかのような、重層的な質感を漂わせた。

■デニムには海洋深層水で洗いを施して

 一方、デニム素材には、通常の水の代わりに海洋深層水によって洗いを施すことで、独特の質感と色味を生んでいる。パンツのシルエットはあくまで端正であるからこそ、独特の風合いが際立っている。

■リラックス感に寄り添う上品さ

 さらに、上品なベージュを主体に、異素材をさりげなく組み合わせたプルオーバーやパンツ、ワンピースも。ワンピースは流麗で曲線的なカットによって仕上げ、ゆったりとしたリラックス感を漂わせつつも、すっと身体に沿うようなしなやかさをも持たせた。

※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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