1月の百貨店とSC売上、16カ月連続マイナス 減少幅は拡大

2021年2月27日 09:16

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 日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が2021年1月度の売上高を発表し、ともに16カ月連続で前年同月比マイナスとなっただけでなくマイナス幅が拡大したことが分かった。

【前月は】12月の百貨店とSC売上、15カ月連続マイナス 百貨店の2020年インバウンドは8割減

■16カ月連続減でマイナス幅が大きく増加

 25日、日本百貨店協会が1月度の全国百貨店売上高概況を発表した。売上高は前年同月比(店舗数調整後)29.7%減の3,265億1,017万6,000円となり、16カ月連続でマイナスとなっただけでなく、マイナス幅が12月の13.7%から16.0ポイント拡大した。マイナス幅が20%を超えたのは2020年9月の33.6%以来。

 発表によると、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言により営業時間短縮や来店客の減少が影響、商品別では衣料品などファッション商材が苦戦した。

 一方でラグジュアリーブランド、宝飾品、高級時計など高額商品は堅調、福袋やバレンタイン商戦の予約販売や先行販売などもありEC売上は伸長した。また「イエナカ消費」「巣ごもり需要」により、家具、調理家電、テーブルウェア、寝装品、精肉、和洋酒などに動きがあったという。

■商品別で家電が63.7%増

 都市別、都市以外の地区別では全てで前年同月比2桁割合のマイナス。マイナス幅が比較的小さかったのは都市別では仙台(22.0%減)、神戸(20.6%減)、地区別では近畿(15.5%減)。反対に札幌(38.8%減)、広島(36.8%減)、四国(29.4%減)、九州(28.2%減)でマイナス幅が大きめだった。

 商品別でも多くで前年同月比2桁割合のマイナス。マイナス幅が小さかったものでは雑貨の美術・宝飾・貴金属(10.1%減)、家庭用品の家具(16.0%減)、食料品の生鮮食品(13.1%減)など。また家庭用品の家電が前年同月比63.7%増と唯一プラスだった。反対にマイナス幅が大きかったのは、紳士服・洋品(41.9%減)、婦人服・洋品(40.5%減)、食堂・喫茶(51.0%減)など。

■ショッピングセンターも16カ月連続マイナス

 同日、日本ショッピングセンター協会が1月度のSC販売統計調査報告を発表した。売上高は前年同月比25.2%減の4,336億2,535万7,000円となり、16カ月連続でマイナスとなっただけでなく、マイナス幅が12月の14.4%から10.8ポイント拡大した。

 緊急事態宣言が1月7日に発令され、13日には宣言対象地域を拡大したことで、中心地域や大都市のショッピングセンターで来店客が減少。さらに冬のバーゲン期間を拡大したり、福袋を前倒しで販売したりしたことで、初売りの盛り上がりに欠けたという。

 新型コロナウイルス以外の影響として、7日からの大雪により東北と北陸で休業したショッピングセンターがあった。業種別や商品別では飲食、衣料品、身の回り品が苦戦した一方、テイクアウトを導入した一部の飲食では売上が回復したことや、巣ごもり需要で食品や日用雑貨が堅調だったという。

■テナント、キーテナントともにマイナス幅拡大

 売上のうち、テナントが前年同月比28.0%減の3,408億1,990万2,000円、キーテナントが同13.1%減の928億525万5,000円となり、どちらも全体同様に16カ月連続のマイナスとなり、マイナス幅も拡大した。

 百貨店同様、都市、地区別では全て前年同月比2桁割合のマイナス。比較的マイナス幅が小さいところでは京都市(17.3%減)、神戸市(22.7%減)、近畿(14.8%減)、四国(11.0%減)など。反対に札幌市(36.7%減)、大阪市(38.2%減)、福岡市(39.9%減)、北海道(35.1%減)などでマイナス幅が大きめだった。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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