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迷子の「パレット」位置を特定し流出原因分析 アルプスアルパインら3社が実証実験
物流の効率化に欠かせないパレットだが、流出し迷子になるという課題がある。アルプスアルパインら3社はその解決に挑む(画像: アルプスアルパインの発表資料より)[写真拡大]
アルプスアルパイン(東京都大田区)は18日、キユーソー流通システムおよび損害保険ジャパンと共同で、物流におけるパレット流出の課題解決に向けて取り組みを開始したと発表した。2020年12月から、IoTデバイスをパレットに装着する実証実験を行っており、獲得したデータをもとに、パレットの利用履歴や流出原因の把握を行う。
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同社が開発した、物流資材を遠隔管理する「物流トラッカー」を用いており、キユーソー流通システムが運用するパレット約200枚に装着し実験を行う。パレットの位置情報や移動履歴などのデータを収集し、想定利用ルートや保管場所と異なる場合に、パレットを特定し分析する。実験期間は6カ月間を予定している。
商品を載せるパレットは、フォークリフトなどを使った仕分け作業に利用されており、物流の効率化に欠かせないツール。荷役・輸送・保管の業務効率化や、働き手不足の解消に役立つため、国内における流通量は、年間数億枚と想定されている。だが、利用会社の管理から外れると「流出」してしまうケースが多く、パレットを利用する物流・倉庫・製造業などの共通課題となっていた。
アルプスアルパインは、「物流トラッカー」の活用と製品の性能・機能向上を行う。キユーソー流通システムは、実際の利用データを活用し、内部管理体制を強化する。損保ジャパンは、実証実験で得られるデータを活用し、パレットの流出を軽減するサービスを考案するという役割分担だ。
アルプスアルパインの物流トラッカーは、10年以上稼働可能で、屋内外の位置情報管理を行うことができるIoTデバイス。輸送効率化や資材流出の低減につながることから、欧州大手物流会社をはじめ、多くの海外企業に採用されている。販売台数は既に25万台以上の実績がある。
同社は今後、これまで採用実績の無い食品物流用パレットに、物流トラッカーを搭載していく計画だ。従来取り付けてきたパレットよりも小型だが、独自の取り付け方を行うことで、限られたスペースへの搭載を実現した。3社は食品市場への拡販を行い、そのノウハウを活かして更なる市場展開を図っていく考えだ。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る)
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