GMOフィナンシャルHD、総合金融サービスの強化で成長を目指す

2021年2月9日 07:44

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 GMOフィナンシャルホールディングスは1月29日、連結子会社のGMOクリック証券が、2020年のFX取引高において世界1位、国内では9年連続1位になったと発表した。

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 2006年に店頭外国為替証拠金取引のサービスを開始して以来、業界最小水準のスプレッドと、高機能なツールの提供に努めてきた。これまで、積極的なスプレッド縮小、高機能チャートの提供開始、スマホアプリの機能改善など利便性の向上に取り組んでいる。

 GMOフィナンシャルホールディングスは、2012年にGMOインターネット(1991年創業)の子会社GMOクリック証券として設立され、2015年に東京証券取引所ジャスダック市場へ上場。2017年に現社名へ商号変更し、現在でもGMOインターネットが62.6%を所有する連結子会社である。

 創業以来インターネットで金融サービスをすべての人々の使いやすくすることを目指して、2020年12月期の営業収益は360億円。事業別の構成比は、株式やFX(外国為替証拠金取引)などの金融商品をインターネットで取引する証券・FX事業が84.1%、暗号資産事業が14.3%、システム関連のその他事業が1.6%を占めるGMOフィナンシャルホールディングスの動きを見ていこう。

■前期(2020年12月期)実績、今期見通しは非開示

 前期実績は、営業収益が360億円(前年比10.7%増)、営業利益が前年よりも25億円増の122億円(同25.7%増)といずれも過去最高を更新した。

 営業利益増加の要因としては、顧客基盤の拡大と株価指数、商品市況の値動きによるCFDの好調などで証券・FX事業が18億円、法人口座やつみたて暗号資産サービスの提供開始による口座数・預かり資産の増加に加え、暗号資産価格が上昇した暗号資産事業が8億円の増益であった。

 今期(2021年12月期)の見込みは、証券・FX事業、暗号資産事業は経済情勢、市況環境の影響を大きく受けるために、非開示としている。

■今後の展望と推進施策NO

 「インターネット総合金融グループ」として、2018年118億円、2019年98億円、2020年122億円の営業利益推移の中、2021年12月期営業利益200億円を目標に次の戦略を推進している。

●1. 主力商品店頭FX事業の強化

 ・ビッグデータを活用したポジッション管理の高度化、BtoB取引の効率化推進とFXスマホアプリのリニューアルによるシェア拡大。

●2. 成長分野CFDの拡大

 ・認知度拡大に向けたプロモーション強化により、口座数と預かり証拠金残高の拡大。

●3. 暗号資産事業の収益拡大

 ・法人口座の増加、自動取引の拡大、取扱銘柄の拡充、暗号資産価格の上昇などにより収益拡大。

●4. 海外事業の強化

 ・タイでの金融取引事業の通期黒字化達成を機会に、大口顧客獲得により信用取引残高No.1を目指すとともに、香港、英国拠点での展開強化。

●5. 株主還元の重視

 ・配当性向60%を目標とする年4回配当の実施と自己株式取得による総還元利回りの向上。

 インターネットの活用により、すべての人々に使いやすい金融サービスの提供を目指す、GMOフィナンシャルホールディングスの動きに注目したい。(記事:市浩只義・記事一覧を見る

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