米国雇用統計:12月の振り返りと1月のポイント「雇用拡大ペースは引き続き鈍化か」 住信SBIネット銀行(馬渕磨理子)

2021年2月4日 15:09

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記事提供元:フィスコ


*15:09JST 米国雇用統計:12月の振り返りと1月のポイント「雇用拡大ペースは引き続き鈍化か」 住信SBIネット銀行(馬渕磨理子)
こんにちは。フィスコ企業リサーチレポーター馬渕磨理子の「住信SBIネット銀行の気になるレポート」です。2月5日発表の米雇用統計に向けてレポートをご紹介します。その前に前回の12月雇用統計を振り返ってみましょう。

12月の非農業部門雇用者数は前月比−14万人となり、市場の+5万人と小幅増加予想に反して減少しました。失業率は6.7%で11月と同水準でしたが、6%台で下げ止まりつつあるようです。平均時給は前年比+5.1%と市場予想を若干上回りました。

雇用拡大のペースは大幅に鈍化したと受け止められたことから、1月8日のドル・円は一時103円60銭まで下落しましたが、104円07銭まで反発し、103円98銭で取引を終了しています。なお、ダウ工業株30種平均は、前日比56.84ドル高の31097.97ドルで取引を終了しました。

さて、2月5日発表予定の1月の雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比+7万人程度、失業率6.7%、平均時給が前月比+5.0%と予想されていますが、いったいどのような内容になるのでしょうか。

レポートでは、『1月については、新規失業保険申請件数が1月中旬に90万件を超えているものの、12月に減少した反動でやや増加する可能性があります』と予想しています。また、『新型コロナウイルスの感染増加の影響で雇用回復のペースは明らかに鈍化しており、1月の雇用統計内容が大幅に改善するとの見方は少ないようです』と伝えています。

また、1月雇用統計の結果を受けた外為市場の反応について、レポートでは2つのシナリオを紹介しています。

非農業部門雇用者数が予想以上に増加した場合については、『雇用回復のペースは鈍化せず、2月以降も10万人程度の増加が続くとの見方が広がり、米長期金利の上昇につながり、リスク選好的なドル買いが強まる可能性があります』と予想しています。また、『1月の失業率が市場予想を下回った場合もドル買い材料になると予想されます』と伝えています。

一方、非農業部門雇用者数が市場予想を下回った場合については、『雇用回復のペースはさらに鈍化することから、ドルは伸び悩む可能性があります』と予想しています。ただし、『バイデン新政権下で追加経済対策の早期導入へ期待が広がった場合、ドルは底堅い動きを見せる可能性があります』とも伝えています。また、『米長期金利が下げ渋った場合、ドル売りは抑制される可能性があります』と加えています。

ちなみに1月20日、民主党のジョー・バイデン氏がアメリカの第46代大統領に正式に就任し早速17の大統領令に署名しました。政策転換に関わる内容となっており、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」への復帰や、世界保健機関(WHO)脱退取り下げなどが指示されています。

上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「米国雇用統計」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコ企業リサーチレポーター 馬渕磨理子《CN》

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