徳島市、そごう徳島店閉店のアミコビル運営会社へ最大20億円の融資決定

2021年1月20日 18:03

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 徳島県徳島市のJR徳島駅前にある商業施設「アミコビル」から核店舗のそごう徳島店が閉店した問題で、徳島市の内藤佐和子市長は記者会見し、アミコビルを運営する徳島市の第三セクター会社・徳島都市開発に、最大20億円の融資を実施すると明らかにした。そごう徳島店閉店で賃料収入が大幅に減少したためで、第1弾として、10億円の融資を盛り込んだ一般会計補正予算案を1月26日に開かれる徳島市議会臨時会に提案する。

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 アミコビルは1983年、徳島そごう(当時)を核店舗にして開業し、中心市街地最大の商業拠点となっていた。だが2020年8月のそごう徳島店閉店で巨大な空き店舗部分が生まれ、ビルを運営する徳島都市開発が経営危機に陥っている。内藤市長は融資の理由として「今やらないと間に合わない」と説明した。

 このほか、補正予算案にはJR徳島駅前の活性化に向け、徳島都市開発が実施するアミコビルの改修工事費、中心市街地活性化基本計画の策定費1億6,500万円も計上した。同時に、徳島都市開発への必要な資金の貸付金として10億円を上限とし、2021年度を期限とする債務負担行為も設定している。

 アミコビルは地元の物販、飲食店などで構成するアミコ専門店街やアミコ東館、徳島市シビックセンターなど公共施設がオープンしているが、そごう徳島店跡の大部分は空き店舗となっている。

 そごう徳島店の閉店後、空洞化が深刻さを増していた徳島市中心部の客足がさらに減少していることもあって、内藤市長や徳島都市開発は、そごう徳島店跡に三越伊勢丹グループの小型店を2021年度中に誘致する方向で動いている。

 だがこのまま放置しておくと、徳島都市開発が最悪、経営破たんに陥る可能性があるとして融資による経営テコ入れを決めた。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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