賽銭にも導入、キャッシュレス決済はどこまで利用できるか

2021年1月4日 16:48

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(画像: J-Coin Payの発表資料より)

(画像: J-Coin Payの発表資料より)[写真拡大]

 みずほ銀行が提供しているスマホ送金・決済サービスJ-Coin Pay(ジェイコインペイ)が、1月1日より東京の神田明神でお賽銭を奉納する際に利用可能となった。

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 神田明神は、賽銭箱を設置しづらい場所でもQR決済によるお賽銭が可能となり、参詣者の密集を回避できるなどとして、新型コロナウイルス感染症拡大予防の観点でメリットがあるとしている。

 参詣者側は、現金の用意が不要で利便性が高いということに加え、感染予防の観点から現金への接触が避けられることがメリットとして挙げられている。

 J-Coin Payでは、新型コロナウイルス感染症の拡大をきっかけに、現金への接触低減に向けた取り組みのひとつとして、賽銭以外でも募金や店舗決済以外のキャッシュレス化を推進していくとしている。

 神田明神以外でも、全国的に賽銭のキャッシュレス化が進んでいる。京都・東本願寺は2020年11月から導入。いずれもQRコード決済のJ-Coin PayとUnion Payのバーコードが印刷されたパネルを境内数カ所に設置しているという。

 東京・愛宕神社では、初詣期間のみキャッシュレスでの賽銭利用に対応している。楽天Edyおよび楽天Payが利用可能である。

 賽銭だけでなく、御朱印やお札などの授与にかかる金銭奉納の場面で、キャッシュレス決済を導入している神社仏閣もある。

 これらの神社仏閣がキャッシュレス決済を導入した理由は、いずれも新型コロナウイルス感染予防のためということが挙げられている。1年で最も参詣者が集まる初詣の密を避けるためでもあり、現金の受け渡しでの感染を防ぐためでもある。この他、賽銭の窃盗被害を防ぐことができるという側面もあるようだ。

 2021年の初詣は、分散参拝を推奨している神社仏閣も多くある。通常なら初詣授与する御札類も12月から配布しているところもある。このような分散参拝と、キャッシュレスでの賽銭なども同時に行うことで、例年の正月参拝(参詣)よりも他人との接触は抑えられると推測される。

 商品の売買ではなく、賽銭など祈願する意味合いのある金銭に対するキャッシュレス化に関しては、いまだ賛否両論が起こっている。実際、まだキャッシュレス決済を導入している施設は少ないといえる。

 今回の試みは感染予防策としての側面が大きいが、私たち一般消費者がどこまでキャッシュレス化に対応していくのか。賽銭のキャッシュレス化は、私たちが暮らしの中でどこまでキャッシュレスを取り入れていくのか、考えるきっかけになるのではないだろうか。(記事:大野 翠・記事一覧を見る

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