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新型コロナは、そんなに怖いか? 正体不明の怖い感染症という呪縛から解放されてもいい頃では
新型コロナウイルスの感染拡大が、第3波と見られる勢いを増している。今年初めの感染初期には、乾燥する冬季間にはウイルスの飛散が増えて感染の勢いが増し、湿度が高くなる温かい時期にはウイルスの飛散が減少して勢いは低下すると解説されていた。
日本国内に於ける感染の推移は、4月の中旬に第1波のピークがあり、7月の下旬に第2波のピークを迎え、現在が第3波のピークのようである。PCR検査が完璧に実施されている訳ではないことや、人の移動を制限するなどの感染防止対策の実施状況などの変数が関わるため、把握されている感染状況は実態をそのまま反映しているとは言えないにしても、全体としての趨勢は概ね読み取れる。
初夏から盛夏の時期に迎えた第1波や第2波のピークよりも、現在の第3波の感染者数が2倍~3倍に増加しているので、季節的な要因というファクターが感染者数の増加に関わっているようだ。例年、秋から冬にかけて勢いを増すインフルエンザと、同じような傾向を見せていると思えば、感染の拡大は今春伝えられた解説通りに推移している。
だが新型コロナウイルスは世界中で猛威を振るい、感染状況の深刻な地域や国では、人口比で日本の10倍を超える感染者と死者が出ているため、近いうちに日本にも同様の状況が訪れるのではないかという不安が広がっている。
もちろん、新たに発見されたウイルスであるため、実態の解明が進んでいないことや、予防方法や治療方法が確立されていないことへの恐れもある。さらに、感染の仕組みや症状のばらつきが混然と伝えられるため、社会全体に落ち着きのなさをもたらしている。
日本では毎年1千万人程の人々がインフルエンザに感染し、基礎疾患が重なったことによる関連死を含めると、およそ1万人が亡くなっているようだ。例年そんな状況が繰り返されているのに、インフルエンザの予防接種を受ける人は限られているし、インフルエンザに罹患している人を殊更怖がるような認識はない。多くの人がインフルエンザの症状や感染パターンに、馴染んでいると言えよう。
これに対して、報じられてから10カ月ほど経過した新型コロナウイルスの日本における感染者数は、累計で16万人超、亡くなった人は累計で2397人(12月7日午後8時半現在)だから、感染率も致死率もインフルエンザに遠く及ばない。
何しろ、ほとんどの感染者は軽度から中程度の症状に止まり、自宅療養するだけで入院の必要がない。高齢者や基礎疾患がある人には重症化する傾向が見られると言うが、免疫力の低下した高齢者や基礎疾患の持ち主が、どんな病気にも注意が必要なことは言うまでもないことだ。そろそろ、社会が落ち着きを取り戻すべき時期に来ているのではないだろうか。
ちなみに、1月~10月までの自殺者は累計で1万7219人になる。1~6月までは統計を取り始めてから最低となった昨年を下回るペースであったが、7月以降は顕著な増加傾向を示す。特に10月は、前年同月から約4割も増えて、単月としては2年7カ月ぶりに2,000人を超える2153人と急増している。コロナ過による事業の行き詰まりや解雇が原因だと伝える声もあるが、実態は明らかではない。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る)
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