日立社会情報サービス、感染症の流行予報サービス開始 AI活用で最大4週間

2020年12月5日 11:40

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感染症予報サービス画面と使用イメージ(画像:日立社会情報サービス発表資料より)

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 日立社会情報サービスは4日、AIを活用し最大4週間先まで感染症の流行状況を予測・情報発信する「感染症予報サービス」の開始を発表した。まずはインフルエンザから実施。感染症への正しい危機感と予防意識(行動見直し・室内環境整備など)を持たせることで、懸念されている新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行「ツインデミック」対策へ貢献していく。

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 予報対象の感染症は順次拡大予定で、新型コロナウイルスは次候補の筆頭。将来的にはあらゆる感染症の予報サービスに取り組んでいくという。

■感染症予報サービスの概要

 予報には、日本医師会ORCA管理機構が全国4000以上の医療機関から収集した、インフルエンザを含む感染症の罹患患者数を市区町村別にまとめた「ORCAサーベイランス」を中心に、複数データを使用。過去のインフルエンザ流行地域・時期など各種情報で学習させたAIが、最大4週間先までの流行を予測。都道府県・市区町村の地域単位で、週の流行度合いを4段階(レベル0~3)で表示した予報データを生成する。

 予報データはAPI・GUIで提供し、利用者はSNSやサイネージなど様々な媒体でプッシュ配信が可能。主な提供先は自治体や民間企業となり、住民向けまちづくりサービスや、感染予防関連商品の販促・在庫管理などでの活用を想定している。

■高評価を受けたサービス実証実験

 2019年12月から2020年3月、日立製作所はさいたま市でインフルエンザ予報サービスの実証実験を実施。そこでの高評価を受けサービス開始に至った。

 最も評価されたのは予測精度の高さ。例年インフルエンザは1月中が最も流行する傾向にあるが、2019年のインフルエンザ罹患者数は、12月最終週がピークで1月には減少した。AIは例年にはない早期収束の傾向を事前に予測、的中させた。

 WebサイトやLINEの専用アカウントから見られるといった、使いやすさも評価された(LINE登録者数約6,800人)。事後アンケートでは7割が「また利用したい」と回答したという。

 実は、Googleは11月17日から「COVID-19 感染予測(日本版)」サービスの提供を開始している。8月から米国版で開始した同サービスの対象地域を拡大した形だ。

 日本版は、ジョンズホプキンス大学の公開データなどで学習した米国版AIに、厚労省などが公開している国内感染状況データを追加学習させた。都道府県単位で、今後28日間の新型コロナ死亡者数・陽性者数・入院/療養等患者数などを予測する。GoogleColudのサービスの1つで、指定使用量までは無料で利用可能。ただ提供データの構成がやや複雑で、慣れるまでに時間がかかる仕様になっている。

 深刻化する温暖化で未知の感染症の発生リスクは年々高まり、感染症のリスクヘッジは世界的な関心事となっている。感染症予報サービスの今後の進展に注目したい。(記事:三部朗・記事一覧を見る

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