コンビニ3社が公取委に回答、「タテマエ」だらけの内容に「独禁法」の出番はあるか? (2)

2020年12月4日 14:19

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 4つ目は「24時間営業の強制」だ。コンビニ加盟店の苦境が、社会に認知されるきっかけとなった問題だ。

【前回は】コンビニ3社が公取委に回答、「タテマエ」だらけの内容に「独禁法」の出番はあるか? (1)

 加盟店で働くパート従業員は加盟店のオーナーが賃金を支払う。コンビニのパート勤務が、”キツイ割に安い”というのは世間の常識のようになっているから、深夜勤務は多少の割増になっている。ところが、深夜時間帯に日中と同等の売上がある店は数少ない。売上が少ないのに割増の賃金を払う経営者はコンビニのオーナーくらいだ。

 オーナーであれば、深夜営業でペイする店は営業し、ペイしない店は休止する、と采配することが当然なのに今までは出来なかった。本部は深夜の時間帯に1つの加盟店で1000円の売上しかなくても、1万店の加盟店分を合計すると1千万円の売上になり、その分のロイヤリティ収入が見込める。

 持出し必至の加盟店と、絶対もうかる本部という構図を本部が今まで変えようとしなかったのには、こんな理由がある。もちろん今では大分変わっているようだが、実際に時短営業をしようとすると、相当ややこしいマニュアルを読まされて複雑な手続きが必要だそうだから、現状は”タテマエ”のままである。

 公正取引委員会(公取委)が実施したアンケートに「時短営業を望む」と回答した件数と、「時短営業に変更した」件数に大きな乖離があることを承知の上で、どのコンビニでも「本部と協議して時短が可能」と口を揃えているのは、相当タフな心臓をお持ちの証ということだ。

 オーナーが経営者なのであれば、各店の営業時間は固有の条件を把握したオーナーが決めて然るべきだ。仮にも、時短営業の希望を黙殺したり、複雑な手続きを求めて実質的に時短営業を妨げるようなことでは、問題は解決しない。

 5つ目は悪名高いドミナント商法だ。営業成績の良好な加盟店の近隣に、同一チェーンの店舗を出店させる。

 例えば、今まで日販70万円を売上げていた優良店のA店は、近隣に出店したB店のあおりを受ける。エリア全体で仮に100万円を売上げることになれば、本部勘定は潤うが肝心の加盟店の売上は2店舗で分け合うため、例えばA店の売上は60万円でB店は40万円となってしまう。

 優良店だったA店は並みの店になり、おだてられて出店したB店は不採算店の汚名を被る。競合するチェーンが殴り込んできたのであれば、掻き立てられるA店オーナーの闘争心も、同一チェーンに剥き出しにするわけにもいかない。こんな非情が今までまかり通っていた。

 セブンはドミナントで既存店が減収に追い込まれた場合には「支援を検討」するとしているが、検討するだけで終わる恐れはないのだろうか?「どんな支援をする」のかが明確でなければ意味がない。

 ファミマは出店計画を事前に通知するようだが、競合店が出店することを知らされたオーナーに出来ることは何もない。ローソンは「ドミナント出店を採用していない」と他人事のようだ。

 公取委がこんな回答に納得する様では、時間と労力を注ぎ込んだ加盟店のアンケート調査が無駄になるし、面子も立たない。今回の回答を踏まえて公取委がどんな次の手を繰り出すのか、固唾を飲んで見つめているのは、コンビニ3社の首脳陣だろう。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

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