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伊藤忠、世界初となる「海洋ゴミ由来のゴミ袋」開発 対馬市と連携
伊藤忠商事(東京都港区)と子会社のゴミ袋メーカー日本サパック(東京都渋谷区)は26日、海洋ゴミ由来原料を配合したゴミ袋を、世界で初めて開発したと発表した。長崎県対馬市と連携し、海洋ゴミのマテリアルリサイクルに成功した。循環型経済のビジネスモデルを構築していくと言う。
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消費されたプラスチックゴミなどが捨てられ、水路や川を経て海に流出する海洋ゴミ問題が世界で深刻化している。中でも長崎県対馬市は「日本一海洋ごみが多い島」と呼ばれており、年間2万立方メートルの海洋ゴミが漂着していると推計される。
対馬市は毎年数億円を費やし回収に取り組んでいるが、全量回収はできなかった。回収したものもほとんどが埋め立て処分するしかなく、一部を油化リサイクルにまわすのみで抜本的解決に至らなかった。
伊藤忠商事は、これまで取り組んできた海洋ゴミのマテリアルリサイクルの知見を活かし、対馬市の海洋ゴミをリサイクルすることに成功した。子会社でゴミ袋メーカー最大手の日本サパックがそのリサイクル海洋プラスチックを一部配合し、ゴミ袋を開発。
2社は開発したゴミ袋を、対馬市や海岸のゴミ清掃活動を必要とするエリアに一部無償で提供する。これを皮切りに、海洋ゴミを解決する循環経済型のビジネスモデル構築を行う。海洋ゴミの圧縮や処分コストの抑制につなげる考えだ。
海洋ゴミは、プラスチックだけで世界に1憶5000万トン以上の量が漂っており、新たに毎年約800万トンが流出していると言われる。プラスチックは滞留期間が長く、影響も甚大だ。魚類だけでなくウミガメやクジラなど海洋哺乳動物など少なくとも700種類に被害をもたらしている。
漁業はもとより、海洋資源を損失することで食料危機にもつながりかねない。観光業や船舶運航の障害など、被害の範囲は想定されているものだけで複数に及ぶ。近年は目で見えない小さな「マイクロプラスチック」も取りざたされている。これらを体内に取り込んだ魚介類を食べることによる、人間の健康被害も不安視されるようになった。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る)
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