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今回の研究で明らかとなったスーパームーンに伴う地形変化の概略図(画像: 海洋・港湾・航空技術研究所の発表資料より)[写真拡大]
満月時に月の見かけが大きくなる「スーパームーン」。海洋・港湾・航空技術研究所(うみそら研)は19日、スーパームーンが砂浜の地形の変化に影響を及ぼすことを実証したと発表した。
■欧米では「キング・タイド」をもたらすと恐れられる
見かけの月の大きさは、地球と月との距離で決まる。スーパームーンが現れることは地球と月との距離が近いことを意味する。月の見かけの大きさが変化するのは月の公転軌道が楕円であるためであり、地球と月との距離がもっとも近いスーパームーンの直径は、両天体間の距離がもっとも離れた場合の見かけの月の大きさと比べ14%増しで観測される。
スーパームーンは地球上の物理現象にも影響を及ぼす。月の引力により地球は変形し、それに伴い海水が移動する。スーパームーンは通常の満月よりも潮汐力(起潮力)が大きくなるため、干潮時と満潮時の水面の差は大きくなる。こうしたスーパームーン時の海面水位の上昇は、欧米では「キング・タイド(超巨大な大潮)」と呼ばれ、沿岸域が浸水するリスクが高くなる。
■スーパームーンで浸食が49%大きくなる
うみそら研、港湾空港技術研究所などの研究者らから構成されるグループは、スーパームーンが砂浜の地形に与える影響を調査した。
研究グループは調査のために、茨城県波崎海岸における海浜の地形の変化を24年間にわたって観測したデータを解析したという。解析の結果、スーパームーンの際には、通常の地形変化と比べ、海岸線が平均で1日あたり0.47メートル後退していることが判明。これは、同じ波浪条件下で浸食が49%大きくなることを示唆するという。
研究グループは今回の研究結果に基づき、スーパームーンと高波浪や高潮が重なる場合には注意が必要だと注意喚起を促している。
研究の詳細は、国際学術誌Geophysical Research Lettersに18日付で掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る)
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