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周波数によってモニターに現れる画像の違いのイメージ(画像:東京都市大学の発表資料より)[写真拡大]
東京都市大学は17日、人間の目が少なくとも約1,000分の8秒の変化を認識できることを発見したと発表した。
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■実験に使用された「eスポーツ」
東京都市大学の研究グループが今回の発見を導いた実験には、「eスポーツ(エレクトロニック・スポーツ)」が利用された。eスポーツとはテレビゲームでプレイヤー同士が争う競技だ。eスポーツという名称は海外で名づけられたが、この競技がスポーツであるかどうかについては意見が分かれる。その一方で、国際オリンピック委員会がオリンピックの正式種目として採用する可能性を検討し始めている。
eスポーツでは身体や知的能力が競われる。柔道やレスリングなどのスポーツは体重によって競技者を区分するが、eスポーツでは体力に差がある若者と高齢者との対戦も現状では可能だ。幅広い年齢層がトップアスリートになる可能性がある一方で、若者にハンデを与える必要があるという意見も出されているという。
■パソコンモニターが実験結果を導くカギに
研究グループは今回の実験に先立ち、反射神経を調べるゲームソフトを独自開発した。240Hzと120Hzの2種類で動作可能な高速のパソコンモニターを使用し、モニターに映る画面が変化した瞬間に被験者にボタンを押させることで判断能力を測定した。被験者には研究室の学生と教員の計6名が選ばれたという。
実験の結果、周波数を高く設定したパソコンモニターのほうが、被験者の反応速度は短かったことが判明した。これは、人間の目が少なくとも約1,000分の8秒の変化を認識できることを示唆するという。
課題も残る。今回選ばれた被験者は若い学生が中心だったため、人間の平均的な判断能力を測定したと結論づけるのは難しい。
研究グループは、eスポーツがもたらす高速の画像変化を経験することで、年齢を重ねた人間でも判断能力が鍛えられるだろうと推察している。
研究の詳細は、コンピューター技術の国際会議「3PGCIC-2020」にて10月28日に発表されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る)
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