ソフトバンク、KDDIとドコモの上半期決算、圧倒的収益力で営業利益ランクの上位独占!

2020年11月6日 18:01

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 携帯電話事業は巨大な装置産業だ。黎明期の携帯電話は、基地局の整備を1から始めたため、地域による通信品質のバラつきは酷かった。今で言うガラケーの時代だったので、通話状態が安定しなければ自分で通話の切れない場所を探すユーザーがいた位、のどかな時代だったとも言える。

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 それまでは、ショルダーバッグ並みの大きなサイズであるうえに、月間の通話料金が現在の10倍前後という高額だったため、個人利用が夢のような時代が続いていた。やっとサイズも金額も手の届くところに近づいたから、通信品質よりも「所有する喜び」の方が大きかったのかも知れない。

 現在はそんなことすら昔話になってしまうほど、日本全国に3大キャリアの基地局網が張り巡らされている。携帯電話事業に参入するということは、自前の基地局網を整備すること抜きには考えられない。通信キャリアが全国に展開する基地局数と同等の基地局を持たなければ勝負にならないから、新規にキャリアを目指す事業者に立ちはだかる障壁は途轍もなく高い。

 20年4月に事業を始めた楽天モバイルが味わっているのは、まさに生みの苦しみだ。基地局を立ち上げるためには、権利者との合意を経たうえで技術者が施工する。1局開設するにも相当の体力を必要とするから、仮に1万局を立ち上げる作業を自力でやっていては、時間がかかり過ぎてユーザーに相手にされない。

 楽天モバイルは東京・名古屋・大阪には自前の基地局を開設し、それ以外の地域では回線をローミングという手法でKDDIから借りている。徐々に自社の回線に置き換えるまで、楽天モバイルは賃借料という負担をして時間を買ったようなものだ。

 設備投資負担が参入障壁になるということは、逆に言うと営業基盤が確立したキャリアにとっては、新たなライバルが出現しにくいマーケットが保証されていることと同義である。3大キャリアの20年4月~9月における営業利益は合計で1.7兆円に達した。上場企業全体の中で、同期間の営業利益が多い順の1位~3位までをソフトバンクとKDDI、NTTドコモが揃い踏みで独占したのだ。コロナ禍のために多くの企業が業績悪化に見舞われたことを勘案しても、こんなことは前代未聞だ。

 携帯電話料金の値下げ問題が注目を集めている時期に、3大キャリアの収益力がどれ程大きいものかと知らしめたことは、今後の論議に大きな影響を及ぼすことは間違いない。(記事:矢牧滋夫・記事一覧を見る

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