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移動スーパーのとくし丸、沖縄県で運行開始 全都道府県での展開達成
とくし丸の販売風景(画像: オイシックス・ラ・大地発表資料より)[写真拡大]
移動スーパーのとくし丸が28日、沖縄県那覇市で運行を始め、全都道府県での展開を達成した。増え続ける買い物難民を支援するために始めた事業で、47都道府県で626台の移動販売車が運行し、車に乗れない高齢者らの命綱になっている。
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沖縄県1号車は那覇市宮城のスーパー・リウボウストア小禄宮城店と提携し、那覇市内で新鮮な生鮮食品や加工食品、日用品など約400品目、約1,200点の商品を冷蔵機能付きの移動販売車で運んで販売を始めた。とくし丸の移動販売車はこれまで、沖縄県を除く都道府県で運行していたが、これにより全都道府県で展開することになった。
とくし丸は徳島県徳島市で2012年、元タウン誌編集長らが設立した。運行地域のスーパーと提携し、食料品店やスーパー、コンビニエンスストアから遠い地域を中心に巡回し、販売している。スーパーでの販売価格に10円を上乗せしただけで、自宅の近くまで来てくれるとあって、車の免許がない高齢者らに好評を得て全国展開を始めた。
2016年には食品宅配大手のオイシックス・ラ・大地の子会社となり、全国展開を加速した。2015年9月に全国で72台だった運行台数は、2017年9月に243台、2018年9月に336台、2019年9月に440台、2020年10月に626台と右肩上がりで増えている。最近1年間では、月に14台のペースで増加している計算だ。
月間の流通総額は2020年7月で13億円を突破した。これに伴い、平均日販額も2020年4月以降10万円を超えている。
経済産業省によると、買い物難民は少子高齢化の進行で全国に700万人いると推計されている。地方や大都市圏の郊外では、人口減少により閉店する食料品店が相次いでおり、買い物難民の数は今後も増加を続けるとみられている。
とくし丸は増え続ける買い物難民のニーズをつかみ、急成長を続けてきたわけだが、新型コロナウイルスの感染拡大で巣ごもり消費が盛んになったことが思わぬ追い風となり、成長をさらに加速させている。(記事:高田泰・記事一覧を見る)
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