金相場の底流に大規模金融緩和 サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)

2020年10月9日 09:12

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記事提供元:フィスコ


*09:12JST 金相場の底流に大規模金融緩和 サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、金相場についてのレポートを紹介します。

陳さんは、まずここ2日のNY金相場について、『大幅に下げ、7日には一時1877.20ドルの安値をつけた』と伝えています。

その背景について、『トランプ大統領は6日、追加の新型コロナウイルス経済対策について、「共和党に対して、大統領選後まで交渉の停止を指示した」と表明した』として、『追加経済支援策に関しては協議を継続し妥結すると見られていたが、突然の打ち切り表明でリスクオフモードが強まった』と分析しています。

これについて、陳さんは『本来、このような事態になれば安全資産である金が買われるものだが、株価が急落したことにより、現金化を急ぐ動きから金にも利益確定売りが広がった』との見解を述べています。

また、『リスク回避からドルが買われたことでドル建て金に割高感が強まったことも金を押し下げた』とのことで、『その後、トランプ大統領はツイッターで、250億ドル規模の航空会社支援策と1350億ドル規模の中小企業支援策を議会は直ちに承認すべきと投稿した』ほか、『個人にも1200ドルの現金給付する考えも投稿した』と伝えています。

続けて、『追加経済支援策に対する期待が広がり、ドルが買われNYダウが反発したため、安全資産である金には売り圧力が強まり、1870ドル台まで値を下げることとなった』と分析する一方、『このような弱材料にもかかわらず金相場は1870ドルで下げ止まったとも言える。テクニカル的には、100日移動平均線にサポートされた格好になっている』と指摘しています。

10月7日に公表された9月15、16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、『経済対策が不十分との認識を示し、経済支援の実現が遅れた場合は景気回復が後ずれすると強い懸念を示した』と伝えています。『米連邦準備制度理事会(FRB)は事実上のゼロ金利政策を少なくとも2023年まで続ける方針を示唆し、声明では「完全雇用に達し、インフレ率が2%をやや超える軌道に乗るまで維持する」と記していた』とのことです。

『新型コロナによる景気の落ち込み懸念は強く、いずれ財政刺激策は可決される可能性が高いと見られている』として、『FRBは前例のない金融緩和策を続けざるをえないと見られていることが金相場の底流を支えているといえよう』と考察しています。

また、『大規模な景気刺激策は将来のインフレ期待を強め、インフレヘッジ手段としても金は買われている。金ETFは直近で1271トンあり、年初来最大水準を維持している』、さらに『米大統領選の結果が11月中に出ない可能性も思惑されており、安全な資金逃避先としても金は買われている』と説明。

こうしたことから、今後のNY金について、『1850~1950ドルのレンジで値を固めて年末に向けて2000ドルに上昇する』と予想しています。

参考にしてみてくださいね。

上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の10月8日付「【金相場の底流に大規模金融緩和】」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコリサーチレポーター 花田浩菜《HH》

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