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8月の百貨店とSC売上、11カ月連続でマイナス 観光や帰省自粛が影響
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日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が8月の売上高を発表し、ネット通販や自宅での需要向けなど一部の商品は動きつつあるもんもの、新型コロナウイルスの影響による売上の伸び悩みが続いていることが分かった。
【前月は】7月の百貨店売上、10カ月連続のマイナスに スーパーは3カ月連続プラス
■2カ月連続でマイナス幅が拡大
24日、日本百貨店協会が8月の全国百貨店売上高概況を発表した。8月の売上高は3,231億2,484万6,000円で前年同月比(店舗数調整後)22.0%減となり、11カ月連続でマイナスとなった。4月の72.8%減、5月の65.6%減ほどではないものの、6月は19.1%減、7月は20.3%減、そして8月が22.0%減とマイナス幅が2カ月連続で拡大している。
例年開催していた夏の大型催事やイベントなどを中止や縮小した影響が大きく、帰省自粛による菓子関連の手土産需要も減少した。その反面、物産展のオンライン開催などネットでの取扱商品が拡大、イエナカ需要による食品、酒類、調理用品などが健闘したという。
■神戸のみプラス
多くの都市や地域別でマイナスとなったものの、神戸のみが前年同月比5.4%増とプラスとなった。ただし19年8月の神戸は豪雨などの影響で同1.5%減となっており、その反動とも考えられる。
都市では仙台(前年同月比:14.6%減、以下同じ)、横浜(15.1%減)が、都市以外の地区では東北(2.4%減)、近畿(4.8%減)、四国(5.9%減)でマイナス幅が小さ目だった。
商品別では全てマイナスとなっているが、美術・宝飾・貴金属(14.4%減)、その他家庭用品(11.5%減)、生鮮食品(5.6%減)などでマイナス幅が小さ目だった。
■ショッピングセンターも11カ月連続マイナス
同日、日本ショッピングセンター協会が8月のSC販売統計調査報告を発表した。8月の売上高は4,382億8,000万8,000円で前年同月比18.8%減となり、百貨店同様に11カ月連続のマイナスだった。さらに、マイナス幅は6月の15.0%減、7月の17.6%減、そして8月の18.8%減とこちらも百貨店同様に2カ月連続で拡大している。
各地のイベントが中止になるとともに、観光や帰省の自粛によって全国各地のショッピングセンターで来観客数が大幅に減少。また帰省の自粛により土産物が不振だったのは百貨店と同じながら、インテリア、貴金属、時計、眼鏡などの高額商品に動きがあったため、「観光や帰省に掛かる支出を買い物に充てた」と推測している。
■コロナの再拡大で名古屋、福岡が影響
都市やその他の地域別では全てマイナスだった。その中でも大都市では、千葉市(前年同月比:14.0%減、以下同じ)、横浜市(15.2%減)、神戸市(10.7%減)が、その他の地域では関東(10.6%減)、近畿(11.3%減)が比較的マイナス幅が小さ目だった。
一方で「愛知県緊急事態宣言」のあった名古屋市(37.2%減)、「福岡コロナ警報」のあった福岡市(41.1%減)が大きくマイナスのほか、札幌市(25.2%減)、仙台市(30.9%減)、大阪市(28.8%減)、北海道(24.7%減)、東北(22.3%減)、中部(20.7%減)、北陸(22.3%減)でマイナス幅が大き目だった。(記事:県田勢・記事一覧を見る)
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