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バフェット氏の“変心”はマーケットの変化か?
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●バフェット氏が変心?
“オマハの賢人”と言われる米国の著名投資家ウォーレン・バフェット氏の心変わりが、マーケットで物議をかもしている。5月の航空株の売却でも話題をさらったが、今回はお気に入りとされてきた米国銀行株を売却し、今までゴールド(金)に否定的だったにも関わらず、カナダの金採掘企業バリック・ゴールドを約2,100万株取得した。投資額も約5億6,300万ドルに及ぶ。
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一方で、銀行株は、保有していたJPモルガン・チェース株の一部3,550万株を売却し、ゴールドマン・サックス株の保有はゼロとなった。
●バフェット氏と銀行株とゴールド
5月のバフェット氏の全航空株売却もマーケットを驚かせた。
バフェット氏の思惑として、コロナショックによる世界の変化に慎重な姿勢が背景にあると思われる。航空株の売却の際には「世界はすでに変わったため」と説明した。
2008年のリーマンショックの際には、今回全株売却したゴールドマンに50億ドル相当の優先株を購入し、さらにはワラント(新株予約権)も取得、13年に転換して大株主となっていた。
米国経済の見通しに強気で、その恩恵を受ける銀行株は“お気に入り”だった。
ゴールドに対しては、「それを溶かして、また穴を掘って、また埋めて、それを守るために人を雇っている。何の役にも立たない」と否定的なコメントをしていた。
●バフェット氏は米国経済の今後をどう見ているのか?
バフェット氏は景気下降局面での投資を得意としている。
暴落を乗り越え主要な株価指数が軒並み過去最高値を記録する中、バフェット氏率いるバークシャー・ハザウェイ株は年初来で約9%下落している。株式市場は空前の“コロナ給付金バブル”とも言われており、ロビンフッダーという新たな“大口投資家”も出現した。
従来型のファンダメンタル重視の投資家よりも、刹那的な投資を得意とする投機家の方が儲けてしまう相場になっている。
バフェット氏のゴールド投資と金融株の売却は、景気の落ち込みによる金相場の上昇と、金融緩和による金融株への逆風が長期に及ぶと見ているためかもしれない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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