ドル円相場は月足・週足・日足でフラクタルな下降ペナントを完成 下落へ突入か?

2020年7月24日 13:02

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 日本が4連休に突入した23日朝、米ドル/円相場は107円20銭あたりを付けていた。前日の106円69銭からリバウンドした形だ。ここで視野を広げて日足チャートを確認してもらいたい。

 コロナショックの米ドル大暴落後の相場は、何度か106円を底値に弾かれながらキレイに下降ペナントを形成していることに気づくだろうか?さらに週足・月足のチャートも見てもらいたい。フラクタル・デザイン的に同形で下降ペナントを完成させているのだ。つまり、8月からは米ドルの下落相場に突入する可能性が大きい。

 その根拠を説明するために、まず月足チャートを確認しよう。2017年12月の118円66銭を頂点に、相場はピンポン玉を斜め下45度へ放り投げたときのような軌道を描いている。これは、いわゆる下降ペナントの相場を形成しているのだ。

 詳しく分析すれば、118円の高さから投じられたピンポン玉が105円にある地面で弾かれて宙に舞い、2018年10月に115円のピークへと達する。そこから放物線を描きながら再び地面へ落ち、次の軌道は112円あたりまで跳ねている。105円の地面で跳ねるごとにピークを低くして、この2週間は106円後半から107円前半の狭いレンジで推移している格好だ。118円66銭を頂点に、105円を底辺にした直角三角形状(下降ペナント)の形で相場が推移しているわけだ。

 ここでポイントとなるのが、月足・週足・日足のチャートがちょうどフラクタル理論に当てはまる形で同じ相場展開をしていることだ。なお、3つのチャートはどれも下降ペナントが完成したことを明らかにもしている。

*フラクタルとは適宜な一部を切り取っても、その形は全体の形に似ている現象で、組織体の完成度の高さを意味する

 FXトレーダーであれば既知のことだが、ペナント相場が完成されあた後には必ず明確なトレンドへ移行するのがセオリーだ。下降ペナントであれば、そのトレンドは下落へと向かうだろう。要するに105円の底を割って、100円、あるいは90円を目指すトレンドが期待できるだろう。

 ただし、月足チャートをもう1度確認したいのだが、2018年3月に付けた104円63銭の後、何度も105円で相場を弾き返してきた経緯がある。これが意味するのは、105円が極めて硬い岩盤だということ。下降ペナントのセオリーを無効にしてしまう懸念もあるだろう。

*コロナショックで3月9日に瞬間的に101円20銭を付けた例外はあるが・・・

 これからの対策だが、まず週明け以降に107円前半で現物の両建てのポジションを建てるのだ。8月に入ってからのトレンドの行方を見極めて、本格的にポジション調整をするのが好ましい。103円を下回ったあたりで下落トレンドと判断し、ハイレバレッジで徹底した円買いへいくか。あるいは110円を切り上がるなら、全力でドル買いに走るという戦法も十分にあり得る。

 ついでに述べておくが、2017年から始まった長期の下降ペナント相場である以上、新たに始まるトレンドが力強く長期に及ぶ可能性も抑えておきたい。(記事:TO・記事一覧を見る

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