未来が現実になる日も近い!? 日産アリアは生活を変える新しい提案だ

2020年7月17日 07:12

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世界初公開されたクロスオーバーEV「アリア」(画像:日産自動車の発表資料より)

世界初公開されたクロスオーバーEV「アリア」(画像:日産自動車の発表資料より)[写真拡大]

 日産自動車は15日、新型クロスオーバーEV「アリア」のワールドプレミアをオンライン上で行った。「アリア」は「人々の生活を豊かに」という日産のビジョンを体現しているという。

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 2010年に電気自動車リーフを世に送りだし世界を驚かせたが、今回のEVは今までのクルマの概念を根底から覆す驚きの設計で発表され、技術の日産を世界に知らしめる形となった。

 見た目は、2019年の東京モーターショーに出品されたコンセプトモデルと非常に近い仕上がりとなっていることに、驚かされる。今までは、コンセプトモデルと市販モデルとではデザインに大きな隔たりがあったが、アリアは近未来の姿そのままで登場してきた。

 特徴的なのは、フロントデザインだ。内燃機関を持たないのでフロントグリルは必要がなく、デザイナーは自由にデザインすることができたという。グリルがなく滑らかな造形は空気抵抗低減に役立つはずなので、走行性能にも大いに貢献しているだろう。

 このフロントグリルに当たる部分には、日産インテリジェントモビリティ、つまり自動運転システムがビルトインされている。スカイラインのプロパイロット2.0を搭載するというが、アリアでは準天頂衛星システムを使用することで、より正確でスムーズなクルマの動きが実現できるという。

 新型アリアには、EV専用プラットフォームを新開発し、室内の床が完全フラットとなる、今までにない足元の広さを実現している。通常センタートンネルがないとクルマの剛性が損なわれるが、アリアでは、車体の底部にブレースを強固に組むことで剛性を確保している。

 日産は、日本の伝統文化をあしらったティアナという、モダンリビングをテーマとしたおもてなしのクルマを販売していた。この精神がこのアリアにも受け継がれ、コンソールが電動で前後に稼働するなどのほか、日本の伝統文化をあしらった組子の間接照明をドアトリムと足元に採用している。

 未来を感じる装備としては、ダッシュボード中心の木目調のフィニッシャーにハプティクスを採用したエアコンの空調システムが統合され、タッチ操作は実際の感触が得られる。

 アリアの一番の驚きは、日産のコネクテッド技術だ。Amazonの音声サービス、アレクサが導入されており、車内、車外問わずに音声で操作が可能となる。

 例えば、自宅でスマートスピーカーを使いアレクサに話しかければ、アリアの状態が確認できる。そして車内では、運転しながら自宅にあるホームデバイスとも連携できる。アリアで帰宅途中に、自宅のエアコンを作動させたり、自宅の外灯を点けたりといったことも可能だ。

 アリアの登場で、これからのクルマの方向性も変わってくることだろう。発売は2021年中頃というから、今から楽しみにしたい。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る

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