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福島市の中合福島店、8月末で営業終了へ 中合の店舗は消滅
福島県福島市栄町のJR福島駅前で営業している老舗百貨店の中合福島店が、8月いっぱいで営業を終了することが決まった。中合が26日発表したもので、駅前再開発に伴って店舗を閉鎖する。これにより、「中合」ブランドの店舗は消滅し、福島市内から百貨店が消える。
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中合福島店は明治時代初めの1874年、現在の福島市荒町で中村呉服店として開業。大正時代の1913年に店舗を福島市大町に移し、戦前の1938年から百貨店業をスタート。1973年に現在の福島駅前に移転していた。隣接していた山田百貨店の移転、閉店後は福島市唯一の百貨店として市民に親しまれてきた。
現在の店舗は地下1階地上7階建てで、売り場面積約1万5,000平方メートル。福島駅前再開発計画で建物の賃貸借契約が満了するのに伴い、閉店を決めた。
中合は中合福島店のほか、福島県会津若松市の中合会津店、山形県山形市の十字屋山形店、山形県酒田市の中合清水屋店、北海道函館市の棒二森屋店、青森県八戸市の三春屋店、東京都中央区の東京店など幅広く店舗展開していたが、いずれも閉店か事業譲渡し、福島県内だけで営業していた。
しかし、消費増税の影響やインターネット通販の拡大、郊外型ショッピングセンターとの競争などから経営状況が思わしくなく、会津店の後継となる小規模店舗の中合サテライトショップ会津を7月に閉店する。最後の福島店が閉店することで、すべて閉店となる。
都道府県庁所在地で百貨店がなくなるのは、山形県山形市に次いで2カ所目。長年、駅前の顔として営業してきただけに、福島駅前通り商店街など市中心部の商業に大きな影響を与えそうだ。
全国の地方百貨店は地域の人口減少と地域経済の疲弊、若者の百貨店離れなどから極めて厳しい状態が続いている。そこへ新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛が追い打ちをかけ、経営状態がさらに悪化しているもよう。今後も地方百貨店の閉店が相次ぐとの見方もあり、地方創生にも深刻な波紋を広げる可能性が高まっている。(記事:高田泰・記事一覧を見る)
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