米国雇用統計:3月の振り返りと4月のポイント「失業率は2桁台へ上昇予想」 住信SBIネット銀行(馬渕磨理子)

2020年5月7日 14:09

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記事提供元:フィスコ


*14:09JST 米国雇用統計:3月の振り返りと4月のポイント「失業率は2桁台へ上昇予想」 住信SBIネット銀行(馬渕磨理子)
【馬渕が気になった3つのポイント】
・3月雇用統計後、米政府の2兆ドルの景気対策によりドル/円は堅調に
・4月の雇用統計は就業者数2,200万人減など大幅な悪化予想
・4月雇用統計の悪化予想にともない、円高リスクに注意か

こんにちは。フィスコ企業リサーチレポーター馬渕磨理子の「住信SBIネット銀行の気になるレポート」です。5月8日発表の米雇用統計に向けてレポートをご紹介します。その前に前回3月雇用統計を振り返ってみましょう。

3月の雇用統計は、非農業部門就業者数が70.1万人減、失業率4.4%となり、雇用の悪化が示されました。外食や宿泊等を含むレジャー関連の企業が、予想以上に早期から雇用を減らしていた結果が表れた格好となりました。

一方、時間給賃金は前月比+0.4%、前年比で+3.1%となっており、レポートでは『専門職など比較的高賃金の職種のレイオフが遅れたことで時間給賃金の改善につながった可能性』を指摘しています。

4月の雇用統計は、非農業部門就業者数2,200万人減、失業率16.3%、時間給賃金は前月比+0.3%、前年比+3.0%と予想されており、就業者数や失業率についての大幅な悪化予想が気になりますが、いったいどのような内容になるのでしょうか。

レポートでは、FOMCにてパウエルFRB議長が『次回の雇用統計では失業率が50年来の低水準から2桁台に上昇するとの見通しを示したほか、4月の製造業はさらに落ち込み、第2四半期の経済活動は前例のない水準へ鈍化するとの警戒感を示した』と伝えており、このことも就業者数・失業率の大幅な悪化予想につながっているのではないかと考えられます。

3月の雇用統計発表後の為替市場の動向については、『米労働市場の悪化に関しても政府による2兆ドルの景気対策(=通常の失業給付に加え、自営業者なども含め毎週600ドルを支給、さらに政府が企業にローンという形で就業者の給与を2ヶ月分肩代わり)の効果に対する期待』がドル/円の堅調な値動きにつながったのではないかと分析しています。

しかし、4月の雇用統計については、『大幅な悪化が予想されるだけにNY株式市場や債券市場の反応次第では4月29日の106円36銭を下回り105円台への円高が進む可能性があり注意が必要です』と考察しています。

参考にしてみてくださいね。

上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「米国雇用統計」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコ企業リサーチレポーター 馬渕磨理子《CN》

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