武田薬、トヨタ自、三井物産など/本日の注目個別銘柄

2020年3月5日 15:23

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記事提供元:フィスコ


<4502> 武田薬 3896 +132大幅反発。新型コロナウイルスに対する治療薬を開発すると発表している。新規開発の表明は大手製薬企業の中で初めてとなる。子会社シャイアー保有の血液由来の医薬品開発技術を使って新規治療薬を開発していく。臨床試験を早期に始めて、最短9カ月程度で実用化することを狙うようだ。今後も世界的な感染拡大が想定されているなか、期待感を高める動きも先行する形に。

<9627> アインHD 5910 -510急落。前日に第3四半期の決算を発表、累計営業利益は124億円で前年同期比4.5%増、上半期の同24.1%増から増益率は大きく鈍化している。つれて、通期予想は従来の187億円から165億円にまで下方修正。一時的な出店コストの増加に加え、消費税増税に伴う駆け込み需要の反動減、新型ウイルス感染拡大による消費の冷え込みなどが影響。想定以上の業績失速にネガティブなインパクトも強まる形へ。

<3172> ティーライフ 825 +103急騰。前日に上半期の決算を発表、営業利益は2.6億円で前年同期比42.2%増の大幅増益となっている。第1四半期は同24.3%減と大幅減益決算であったため、想定外の大幅な業績改善となっている。前年比では小売事業の赤字幅が大きく縮小したほか、テレビショッピングを中心に美容系サプリなどの販売が好調で、卸売事業が伸長している。高い進捗率から通期業績の上振れ期待なども高まる状況へ。

<8031> 三井物産 1778.0 +50.0大幅続伸。発行済み株式数の1.8%に当たる3000万株、500億円の自己株式取得実施を発表している。取得期間は3月9日から6月23日まで。当面の需給面での下支えにつながるものとして好感材料視されている。昨年10月に発表した自社株買いが2月末に終了したばかりであり、追加の自社株買いはポジティブサプライズとの見方も多くなっているようだ。

<7203> トヨタ自 7008 +34反発。2月の中国新車販売台数が前年同月比70.2%減になったと発表、下げ幅幅は少なくとも2000年以降で最大、新型コロナウイルスの感染拡大で需要が大きく落ち込んでいるもよう。ただ、足元の落ち込みは想定線とみられ、ネガティブな反応は大きくないようだ。一方、部品調達にめどがつき、国内工場は3月中に通常稼働の公算とされている中国の全4工場に関しても稼働を開始し、平時状態に戻りつつあるようだ。

<8057> 内田洋行 4310 -570急落。前日に上半期の決算を発表、営業利益は39.2億円で前年同期比5.7倍と急拡大、通期予想も従来の39億円から58億円に大幅上方修正。ユーザーの設備投資意欲の高まりを背景に、ICT関連ビジネスが大幅に拡大しているもよう。ただ、第1四半期実績は41億円で、すでに従来通期予想を超過していたため、業績上振れは想定線と捉えられており、11-1月期の収益水準が伸び悩む格好になっていることをマイナス視。

<5727> 邦チタニウム 718 -33大幅続落。大和証券では投資判断を「2」から「3」に、目標株価も1300円から860円に引き下げている。ボーイング減産の影響がタイムラグを伴ってサプライチェーン上流にも影響する懸念、長期契約を基本とする特性上、燃料高騰や増産時に値上げが難しく、適正なマージンが確保し辛いことを考えると、業績本格回復に向けた課題は多いとみている。来期営業利益は65億円から48億円に下方修正。

<2590> DyDo 3425 -145大幅続落。前日に20年1月期の決算を発表。営業利益は28.9億円で前年同期比52.3%減、2月17日に発表した下方修正水準での着地に。一方、21年1月期は23億円で同20.5%減と連続大幅減益の見通し。国内飲料事業の伸長や海外飲料事業の収益改善を見込むものの、ヘルスケア領域の成長戦略実行に係る予算枠を大きく設定したことが減益ガイダンスにつながる。足元の収益水準の落ち込みを嫌気する動きが優勢に。

<6036> キーパー技研 1351 +137急騰。東海東京証券では投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」に、目標株価も1450円から1800円に引き上げている。EXキーパーを4月1日から全国で販売開始予定、これまでのコーティングはアフターマーケット中心であったが、今後は新車向けの売上増加が見込めるとしている。広告宣伝費の減少、EXキーパーの販売拡大などによって、21年6月期営業利益は2割超の大幅増益を予想。

<8078> 阪和興 2113 -64続落。モルガン・スタンレーMUFG証券では投資判断を「オーバーウェイト」から「イコールウェイト」に、目標株価も3800円から2500円に引き下げている。フェロクロム事業の悪化を織り込んで業績予想を下方修正、短期的なフェロクロム事業の回復は見込みづらく、減損リスクも株価の重石材料になってくると判断のようだ。21年3月期経常利益予想は300億円から200億円に引き下げている。《US》

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