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■3Q累計の純利益は前年同期比69%減
ソフトバンクグループ(ソフトバンクG)(9984)は12日大引け後、20年3月期第3四半期累計(19年4月~12月期、IFRS基準)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比1.1%減の7兆898億円、営業利益は130億円の赤字(前年同期は1兆8,590億円の黒字)、税引前利益は同25.7%減の1兆3,454億円、最終利益は同69.0%減の4,766億円だった。
【こちらも】ソフトバンクGと孫正義会長の天国と地獄 (5) サウジ系ファンドは、再度SVFに出資するか?
米ベンチャー企業「WeWork」への投資が話題となる中、同社の目玉事業でもあったソフトバンク・ビジョン・ファンドの運用不振もあり、ファンド事業は3Q累計で7,978億円の赤字を計上。投資会社にシフトをしてきたソフトバンクGにとっては大きな痛手を被る結果となった。
■ファンド事業が不振も国内携帯事業は堅調
孫正義会長兼社長肝煎りのソフトバンク・ビジョン・ファンドは、大きな注目を集めていたが、投資先のUberやSlack、そしてWeWorkが不振を極めた。特にWeWorkにおいてはソフトバンクGより人材を送り込み、抜本的な経営改革を断行してきた。
一方、日本国内においては、携帯事業のソフトバンクの業績は引き続き好調で、20年3月期3Q累計の売上高は前年同期比4.7%増の3兆6,180億円、営業利益は同9.0%増の7,951億円、純利益は同3.1%増の4,366億円と良好な決算だった。ファンド事業での損失を国内事業がカバーする格好となった。
■アクティビストによる経営への言及
12日の決算発表会で孫社長は「厳しい冬の後には春が来る。潮目が変わった」と語った。事実11日に、連結子会社の米携帯事業会社スプリントと、同業のTモバイルUSとの合併をニューヨーク連邦地裁が認めるというニュースが報じられた。
合併によってスプリントはソフトバンクGの連結から外れるため、スプリントが有する約4兆円の有利子負債が、ソフトバンクGの決算より外れる点は財務面の改善に繋がりポジティブなニュースだ。
また、ビジョン・ファンドについても、前四半期に比べて赤字幅を縮小させていることからも、「潮目が変わった」と言えるのだろう。投資会社として舵を切った途端に躓いてしまったソフトバンクGの投資事業だが、今回の反省を踏まえ、規模よりも実績を重視した投資スタイルに軌道修正していく模様。
直近では、アクティビスト投資会社であるエリオット・マネジメントがソフトバンクGの株保有を増やしており、発行済み株式数の3%を保有する大株主となった。
ソフトバンクGの経営陣に対し、自社株買いとガバナンス強化について言及し、企業価値を高めるよう訴えかけていくようだが、投資会社の大量買いは株価低迷をソフトバンクG株への投資の好機と判断したとも言える。大株主であり会社のトップである孫社長がこの局面をどのように乗り切るか注目である。(記事:拓蔵・記事一覧を見る)
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